日本人が「実は海外勤務に向いている」という話
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グローバル人材の重要性が言われるようになってから久しいですが、企業の課題として挙げられることもまだまだ多いですし、グローバル対応や人材育成に苦労している企業の話もよく聞きます。
私自身は海外ビジネスの経験がほとんどなく、海外生活をした経験もありませんので、あくまで自分の中にある漠然としたイメージだけですが、「日本人には言葉の問題もあるし、自己表現や意思表示が得意でない面があるので、外国人とのビジネスには苦労する」と思っていました。
しかしあるフォーラムでうかがった中に、「日本人は実は海外勤務に向いている」という話がありました。
そのキーワードは「寛容性」なのだそうです。
例えば、自分のことを無宗教という日本人は多いようですが、これは決して宗教心が無い訳ではなく、特定の教義に偏ることをあまり好まないということだけなのだということです。ですから、葬式や法事、時節柄の墓参り、お盆や正月の帰省、七五三、クリスマスなどの行事は、宗派や思想にこだわらずにきちんと行います。
自分たちと異なる文化や考え方に対する「寛容性」があり、それが良いと思えば、積極的に自分たちの中に取り込むことができるのだそうです。
この持って産まれた資質は、海外の文化を受け入れて現地の生活や人間に順応することができやすいので、海外勤務などの異なる環境で生活することには向いているということでした。
もちろん、日本人のみんながみんなそうではないでしょうが、少なくとも私は、日本人は島国気質で村社会を好むところがあり、海外生活には順応しにくいと思っていました。
ただ、「寛容性」という資質は確かにありますし、それを活かせば確かにグローバルなビジネス環境に向いている部分はあるのでしょう。自分たちの特性を適切に捉えることの大切さをあらためて感じました。
ちなみに、これは同じ場で出ていた話ですが、日本人は周りの人たちと同じという単一性、均一性を好むので、自分たちとは異質な人やちょっと変わった人を自分たちの中に受け入れることは、意外と苦手なのだそうです。
「海外に出て行って働くことには向いているが、海外から来る人を受け入れて働くことはあまり得意ではない」ということになりますが、何となく今の状況と当たっているところがあるように思います。
いずれにしても、このような「自分自身のことは、よく知っているようで意外に知らない」ということは、やはりどこでもありがちなことのようです。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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