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消費税率引上げに伴う「経過措置」に注意しましょう!

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消費税率を平成26年4月1日に5%から8%へ引き上げることが正式表明されました。

原則として、消費税率改定日(平成26年4月1日)以後に提供されるサービスや引き渡される商品等から新税率が適用されます。

ただし、一定の要件を満たす取引について、サービスの提供や商品の引渡し等が平成26年4月1日以後であっても旧税率が適用される、という経過措置が設けられています。

主に次のような取引について経過措置がありますので注意が必要です。

(1)旅客運賃、映画・観劇の入場料金等の不特定多数の者に対するサービス

 平成26年4月1日前に対価を受け取っている場合は旧税率(5%)が適用されます。

つまり、2014年3月31日までに前売券を買っておけば、電車に乗車したり、映画を見に行くのが2014年4月1日以降であっても5%の税率が適用されます。電車・飛行機の前売券、通勤・通学等の定期券、映画・遊園地等の前売券、プロ野球等の入場券等が該当することとなります。

(2)電気、ガス、水道料金、電気通信役務等の供給・提供等

 平成26年4月1日をまたいだ分の料金で1か月以内に確定するものは旧税率(5%)が適用されます。

物理的に消費税改定前と改定後の使用量を区分して把握することが困難であることが多いからです。
ただし、水道料金のように2ヶ月ごとに料金が確定するものについては、計算により旧税率と新税率の適用となる料金を区分しなければなりません。また、「○月分のインターネット代」など料金が月ごとに定められている場合は経過措置の対象とされません。

(3)「平成25年9月30日までに契約締結した」建物の建築などの一定の請負工事(製造を含む)

 工事の完成引渡しが平成26年4月1日以後であっても旧税率(5%)が適用されます。

この経過措置の対象は、次の4つの要件を満たすものに限られます。
a.仕事の完成に長期間を要すること
b.その仕事の目的物の引渡しが一括して行われること
c.その仕事の内容について相手方の注文が付されているものであること
d.建設請負工事、測量、地質調査、工事施工に関する調査、企画、立案及び管理並びに設計、ソフトウェアの開発などの一定の契約であること

請負契約であっても、ビルの清掃や管理、プログラム等の保守などのように一括して引渡しすることのない契約は経過措置の対象とはなりません。また、マンションや一戸建て住宅を購入する契約は売買契約であり、請負契約の取扱いとは異なるため対象とはなりません。

(4)「平成25年9月30日までに締結した」資産の貸付けに係る一定の契約

 平成26年4月1日以後に行う資産の貸付けでも旧税率(5%)が適用されます。

この経過措置の対象は、次の要件を満たすものに限られます。
a.貸付期間と対価の額が定められていること
b.対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
c.解約の申入れができる旨の定めがないこと 等

建物の賃貸借契約も経過措置の対象となりますが、この取扱いの適用を受けるためには、特にb、cの要件に注意してください。

(5)「平成26年3月31日までに行った」長期割賦販売等に係る賦課金の額

 平成26年4月1日以後に支払期日が到来するものについても旧税率(5%)が適用されます。

(6)「平成25年9月30日から平成26年3月31日までの間に締結した」長期大規模工事の請負に係る一定の契約

 平成26年4月1日以後に引渡しを行う目的物のうち、着手日から平成26年3月31日までの期間に対応する部分は旧税率(5%)が適用されます。

なお、国税庁から「経過措置の取扱いQ&A」も公表されていますので、こちらも参考にしてください。

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