大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
【日本の教育では育たない能力】 ― 【連続した論理を組み立てる力】
-
日本の子供の脳に「英語の基本的思考法クリティカルシンキング」の芽を植えようと、日々悪戦苦闘しています。
「どうしてこんなに頑張る子供たちに、こんな簡単なことが出来ないのだろう?!」と首を傾げることが多いです。
画一的、時代遅れの事実のみを詰め込む学校教育、「なぜ?」がタブ―の日本社会が原因でしょうか。
どんな頭の良い日本の子供にも、大きく欠けている能力のひとつが
Sequential Logic を理解する力です。
例えば、First, Next, Last と連続したストーリーを作る。
すべて3つが論理的に明快につながっている必要があります。
論理的なつながりを、自分のことばで適格に表現することも必須です。
カナダの小学生用のLanguage Art のテキストを使用して授業をしています。
特に、創造力を使うWriting に重点をおき、文法の基礎がある程度出来た子供に
First, Next, Last や、Beginning, Middle, End などのSequence がある短いストーリーを書いてもらいます。
いきなり英語の文章だけでは日本の生徒には難しいので、まず連続した3つの絵を描き、それに簡単な英語の文章説明をつけます。
いやぁ~、これはほとんどの生徒が大苦労します。
日本の学校では「出来る子」と言われている生徒たちが、ノートをみつめたままで何時間も考え込むことも日常です。
まずは、Sequence という意味が理解出来ないようです。
与えられたストーリーに順序をつけることは出来ても、自分の頭でゼロから創造することが出来ません。
頑張っても、頑張っても連続の論理がつながりません。
しかも、なぜつながらないのかも理解に苦しむ生徒も多々います。
・・・
カナダの小学校2年生のLanguage Art のカリキュラムにこんなのがあります。
クラスの生徒が輪になり、みんなでストーリーを作っていく活動です。
Sequence を理解するには非常に効果的な練習です。
日本の学校で超難しい文法問題集を覚えさせられている優秀な高校生たちにも、同じことをやってもらいました。
・・・
全く話がつながりません。
いやそれ以前の問題で、話を考えることもままなりません。
やっと続けたとしても、「は?何が起こった?」と絶句するような始末です。
一計を講じました。
Computer Graphic を駆使し、自分で自由に英語のコミックを創る活動です。
自由自在に背景や、画面設定や、使う物や人物や、しかも人物の表情や仕草までも作っていける刺激的な環境を用意しました。
Super World Club のコミック教室をWeb上に作り、生徒たちは自分のアカウントにログイン。
3コマのコミックを作ります。
もちろん、First, Next, Last の連続論理が必要です。
コミックで表現するだけでなく、英語の文章を使う簡単なセリフも必要です。
何度も私たち指導者とやりとりしながら完成させて行きます。
この訓練を始めて約1年。
そろそろ、Sequence を理解出来る生徒が頭角を現して来ました。
日本の教育下で押しつぶされようとしていた能力の救出作戦成功です。
救出に成功した生徒の作品をご紹介します。
First
Next
Last
「消されかかっている日本の子供の能力救出作戦」はまだまだ続きます。
Good work, Students!!
******************
カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」で自分本来の能力を発揮中です。
Super World Club(大澤眞知子、Robert McMillan)
「Educational Psychology」のコラム
The Dunning-Kruger effect [自己の愚かさも認識出来ないほどの愚かさ](2017/05/17 06:05)
英語しか出来ない人のコンプレックス(2017/05/07 05:05)
日本の子供の居場所 - 豊かで成長を止めることのない「庭」(2016/08/20 16:08)
[英語で社会科 - 地図が描けるかな?] - 発達心理学からの英語指導(2016/01/29 17:01)
Altruism - 幸せな大人になるために(2015/11/14 18:11)