対象:住宅設計・構造
現在、約80坪の敷地に築50年程の母屋と離れの木造平屋建てがあります。
この離れの部分のみ解体し、鉄骨造りの二階建てに建て替えたいと思っております。知り合いに相談したところ、『離れのみの建て替え及びリフォームでも、母屋の方にも関係してくるので、母屋も現在の建築基準法に適合するように大規模な工事が必要になる』と言われました。
その後、自分で調べた結果、土地自体を二つに分筆すれば母屋に影響無く離れ部分を自由に建て替え出来る事を知ったので、費用がかかってもそうするしかないのかなと思案しておりました。
しかし、更に調べてみるとわざわざ分筆せずとも敷地を『分割』または『仮分筆』する事によって離れを建てる事が出来る…というような例を見つけました。しかし、この定義といいますか条件というのが詳しく分からない為、専門家の方にお聞きしたいと思っております。
離れと母屋は繋がっていなければならないのか、離れに水廻りの設置は必要なのか等々、どういうふうに当てはめれば良いのか混乱しております…。
あくまでも、離れを建てたいだけの事であり、土地を分筆して名義を変えるような予定は今後もございません。
まとめると
・離れ部分は約6坪程の鉄骨二階建てにしたい。
・離れの二階部分はガレージにしたい(敷地は3m程低い立地になっている)
・母屋に影響する事無く、離れのみ建て替え(及びリフォーム)をしたい。
・母屋部分も離れ部分も2m以上道路と接している。
このような条件で、分筆せずとも実行出来る良い案がございましたらご教授下さいませ。
よろしくお願い致します。
えんがわさん ( 兵庫県 / 男性 / 34歳 )
回答:5件
最終は行政の判断ですが、一般論で・・・・。
こんばんは、えんがわさん。
やまぐち建築設計室の山口です。
既に多くの建築家の先生方が回答をされておりますので、
簡単に概略をお話したいと思います。
離れとは、それ単独で、住宅の機能がない建物の事です。
一般には、WC、浴室、キッチンなどのどれかが無いケースですね。
母屋と離れ部分を廊下などでつないで使う場合(1棟とする場合)
は、母屋にも多くの制限がかかります。
棟をつながず(棟別)に建てる場合は、
法の取り扱い上、母屋への制限はゆるくなりますが、
現場を見ていない以上、どの程度ゆるくなるのか?
正確な事は申し上げにくいです。
また、分筆せずに別敷地としてみなす場合は、
土地の区切り(塀、フェンス、溝)で、
物理的に分けるケースがあります。
もちろん、母屋への影響は無くなるとは思いますが、
この場合でも事前に代理者又は、えんがわさんご自身で、
具体案を行政に相談する必要があります。
一方的な解釈だけで物事を進める事はあまり得策ではありません。
どのような使い方をして、どのように土地を区切り、
塀又はフェンスで区切るのか?行き来は?
どのように土地を利用するのか?
今回の計画建物を建てる予定部分以外の母屋部分の土地の今後の利用は?
など、確認申請や事前の相談の際は、
細かなところへの質疑も行政からはあると思いますよ。
(各都道府県の行政により判断の違いはありますので、ご注意ください)
分筆せずにとはそのような事が大体の落ち着くところです。
私も実際行政との打合せでは、そのような話しが多いです。
少しややこしく、大体の書き方しか出来ませんでしたが、
あくまで参考です。
評価・お礼
えんがわさん
敷地分割する上でも、行政からさまざまな細かな質問があるのですね。しかし、せっかく足を運びましたが市の対応があまりにもな感じだったので、詳しくは建築士の方と相談する事に致します。
ありがとうございました。
回答専門家
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特に離れにしなくても・・・
結論からいいますと分筆は必要ありません。
杭等による明示で十分です。
登記簿と、建築確認は一致している必要がないのが現状です。
個人的には法制度に不備があると考えていますが。
また、母屋の遡及適用を避ける上でも、
簡単に水回り3点セット(キッチン・風呂・トイレ)をつくられた
うえで、きちんとした一戸建てにされえばいかがでしょうか?
近くに銭湯があれば、風呂がいらない場合もありますが、
最終的には行政の判断になります。
ご参考になれば幸いです。
(株)ローバー都市建築事務所 野村正樹
評価・お礼
えんがわさん
分筆の必要は無いとの明言に安心しております。当分は二人暮らしなもので、一戸建てにする予定は当面ございませんが、水廻りも銭湯があれば風呂の設置は免除される可能性があるのですね。今後の参考にさせて頂きます。
どうもありがとうございました。
回答専門家
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志田 茂
建築家
13
建築確認申請の敷地とは
志田茂建築設計事務所 志田と申します。
建物を建てる(建て変える)場合に、建築確認申請を行政(または申請機関)に提出します。
その場合の「敷地」というのは、、登記の「土地」とは別の話です。文筆しなくても可能です。
「離れ」を建てるのに<必要な>部分を、建築確認申請をする時の<敷地>とすれば大丈夫です。
「建ぺい率」と「容積率」という規定がありますので、新しく建て変える「離れ」の床面積を考慮して、「申請上」の<敷地>の大きさを決めてください。
注意点は、
・道路に2m以上接するようにする事。
・「離れ」を建築した以降、「母屋」を建て替える場合は、全部の土地面積から、今回申請した「敷地面積」の残りが、母屋の「敷地」となりますから、、「敷地」の区切り方によっては、母屋を新しく建て変える時の面積が左右されますので、将来的な事もお考えになって「敷地」を決めてください。
(母屋の「敷地」の道路に接する部分が2m未満にならなようにご注意ください)
電気や水道や下水など、「離れ」の専用に新しくひかなければいけないと言われる事があるかもしれませんので、事前にご確認ください。
将来の相続の事もお考えになる必要があるなら、今 文筆しておいてもいいかもしれません。
***
詳しくは、地元の建築士や建築会社、もしくは行政(または土木事務所)の建築課でご相談になればおしえてくれると思いますよ!
補足
追記です。
以上は、母屋と離れが 別棟 の場合です。
二つがつながっている場合は、全部が「一体の建物」のとなりますので
母屋にも、今現在の「法規」に適合するようにしなければいけません。
ただ、、一部分「廊下」のような部分でつながる場合は、「全てに現行法規が・・」ではなくなる場合もありますので、行政にご相談してください。
評価・お礼
えんがわさん
分筆しなくとも離れを建てる事が可能なのですね。少し安心しました。市役所に足を運びましたが、『素人が来るような場所ではない』という扱いで、詳しい情報を得る事は出来ませんでした。
建築家の方に相談してみようと思います。
ありがとうございました。
本田 明
工務店
4
建築基準法は、実態規定です。
建築基準法は、実態規定です。
現状の建物と敷地の関係が、それぞれに合法であれば、
その土地が分筆されていようといまいと関係はありません。
既存建物のある敷地については、建ぺい率や容積率などの集団規定に、
現地調査をして明らかな違法性がない限り問題はないと思います。
明らかな違法性とは、
悪知恵の働く人たちが以前
建ぺい率60%の建物を建て、その空いた40%を新たな敷地として申請し
又60%の建物を建てるというような、冗談のようなことが行なわれたことがあります。
その様な悪質な事例のことです。
ですから、法律に合致するように、ご自身の宅地の中に任意に敷地境界線を設定することは
何の問題もありません。ただ、ちゃんと現地に杭等で明示しておかなければなりません。
その場合の敷地は
「○○市○○町○○番地の一部」
と確認申請書に記入して何ら問題はないはずです。
補足
建物の用途・形態によっては、敷地を分割できなかったり、
逆に敷地を分割しなければならなかったりすることがあります。
そのあたりの、建築基準法の概略については下記のブログにてご確認下さい。
MYブログ08/01/03離れ(用途上可分、不可分)
評価・お礼
えんがわさん
明らかな違法性が無ければスムーズに実行出来そうで、安心致しました。残り40%分に60%の建物とは…そんな事が実際に許可されたのなら審査等あってないようなものなのでは、と思いますが。。。
用途や形態によっての条件もあるようですので、じっくり検討したいと思います。
ありがとうございました。
森岡 篤
建築家
6
なぜ敷地を分割するか
えんがわさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
そもそも、なぜ敷地を分けなければいけないのでしょう。
建築基準法では、1敷地に同じ用途の建物は1つしか建てられないという規則があるからです。
1敷地には、1つの住宅しか建てられません。
例外があって、それが「離れ」です。
ここでいう「離れ」とは、キッチン、浴室、トイレのどれかが欠けているもので、住宅の機能を満たしていず、1敷地に母屋と一緒に建てられることになっています。
(さらに母屋と渡り廊下でつなぐ、という行政庁があった記憶がありますが、定かでありません)
「離れ」と認められる場合、母屋と構造上別棟であれば、離れを建て替えても、母屋の既存不適格の訴求にならない可能性はあります。
母屋の耐震診断を求められるかもしれません。
離れを、母屋に全く影響なく建て替えるには、敷地を分割する方が良いでしょう。
ここでいう「分割」とは、志田さんの説明のように、「分筆」する必要はありません。
敷地を図面上で分割すれば良く、但し、離れだけでなく、母屋も敷地関係において法規を満足する必要があります。
参考にしていただけたら幸です。
評価・お礼
えんがわさん
離れ部分は『1敷地1住宅』の例外として扱われるのですね。しかし、行政によってその『離れ』の見解もさまざまなのでしょうか。敷地分割という方法を知れて勉強になりました。
ありがとうございました。
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