9/26の初日に「2012国際福祉機器展」に行ってまいりました。
気づけば、介護福祉建築を始めようと事業を立ち上げる前年の2003年(平成15年)から毎年通っております。
当時の「介護」の意識は、人の手による温かみが大切とされていたので、自助具は好まれても リフトなどの福祉機器は冷たいものに思われていました。
しかし、急速な高齢化と介護の人材不足や介護によって身体を壊し離職などの問題が浮き彫りになり、福祉機器を介護福祉に取り入れることは必需となりました。
施設では機械入浴が導入されたり、在宅におけるバリアフリーも進化したりして、ここ数年の国際福祉機器展に出展される機器は素晴らしい製品が出てきたと感じます。
介護福祉住宅に導入できるよう、新しい情報や製品を知っておくことは専門家として大切なことです。
私が目を見張って変化を感じるのは、ロボットの導入が既に始まっていることでした。
ロボット化も幾つかの系統があり、
1.介助者の腰の負担を軽減するもの
2.利用者・患者の歩行を援助・介助するもの
3.車いすの走行を補助するもの
特に3はお掃除ロボット「ルンバ」などの技術導入によって、家庭内などにおいて車いす自動走行しても物にぶつからない技術が取り込まれる商品が開発されています(フットレストを当てないのは大切なことですよね)
また、加重を変えることで前後走行できる「ゼグウェイ」の発想を車いすに後づけして、自動走行できる製品も開発されています。
これらから、近未来の住宅は通常の車いすよりも重いものになることが想定できるので、床加重に対する補強や床材質などを今のうちから対応できるようにしておくことが望まれます。
他にも最新の福祉機器を知ることによる「気づき」が沢山ありますが、ひと講演できるほどありますので別の機会に記したいと思います。
機械が苦手な女性やお年寄りのかたも多いと思いますが、福祉機器の操作系スイッチは絵が書いてあったり、誤作動防止機能がついていたり安心して使えますので、一度触れてみるのも良いかもしれません(^^)
近未来介護福祉像を考えると、介護福祉士さんが機器をマスターすべき職種になるような気がしています。
このコラムの執筆専門家
- 齋藤 進一
- (埼玉県 / 建築家)
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
医者に外科・内科等があるように、建築士に介護福祉専門家がいてもいいと思いませんか?人生100年時代を迎えた今、子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅など終の棲家まで、ライフステージを考えた安心して暮らせる機能的な住まいを一緒に創りましょう
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