実際にあった大事な話 - 保険設計・保険見直し全般 - 専門家プロファイル

石川 智
オフィス石川 代表
高知県
ファイナンシャル・プランナー

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対象:保険設計・保険見直し

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実際にあった大事な話

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こんにちは、石川です。

今日は、実際にご相談があったケースをご紹介します。


先日、がんに罹患した女性(60歳)から、保険の見直しに関する相談を受けました。


ご本人さんに今お入りの保険証券を持ってきていただきました。

机の上に一つずつ広げていくと、そうですね、5証券ありました。

つまり、この女性はことあるごとに保険に加入し続け、5つもの証券を持っていたのです。


しかし、この相談者様は

「これでも保険が多いと思わない」

とおっしゃいます。


5つも入っているのに、なぜでしょうか?


この方はがんの抗がん剤治療を受けています。

それは、今のところ外来で行われます。

毎月数万円が検査費用と抗がん剤で消えていきます。


今では貯蓄をどう切り崩すか思案している最中とのことでした。


そうです、お入りの保険では現在の治療費がカバーできないのです。


どうしてでしょう?


この人は、

かんぽの保険(終身保険と養老保険)に4本

JAの養老保険(古いタイプです)に1本

加入していました。


これらの保障の特徴は、死亡保障に入院保障と手術が特約で付いています。

お気付きの人がいるかもしれませんが、現在この人が受けている治療は、この保険からは一円も保険金が支払われません。


さらに問題なのは、死亡保障に入院保障が特約として乗っかっているので、入院だけをのこして、死亡を解約して現金を手元に残す、ということはできないのです。


ですから、このように、保険に沢山加入していても、貸付や解約をしてお金を引っ張り出さない限り治療に使えるお金は手にすることはできません。


しかも、この人は貸付には心理的抵抗感があり、、また、がんの転移により、入院がいつ再開されるかわからない状況では解約はできない、という結論になりました。


FPとしては、貸付を受けることを勧めていくほうが良いとは思いますが、個人の価値観を無視するわけにもいかず、とても悩ましい状況です。


この案件から皆さんにできるアドバイスは、

1 保険はバランスをとって入りましょう。沢山入っても意味がありません。

2 治療が長引くがんに備えるために、診断一時金や通院給付金を検討しましょう。

という二つになります。


でも、もっとも大事なのは

「何が必要で、何が不要か、時々専門家と話し合いましょう」

ということかもしれませんね。


以上、実際にあった相談事例から解説しました。


ではまたお会いしましょう。


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