木造住宅の場合建築確認申請だけであれば、確認申請してから10日もあれば確認書は下りますが、それだけではありません。
建築確認申請に至るまで、様々な法律があり確認申請単独で、確認書が下りる物件は滅多にありません。様々な諸申請とは、行政による指導と法律で定められた申請に大別されます。
行政指導の中で最も多いのは、小規模開発指導要綱と云う協議です。大阪市内では小規模開発指導要綱はありませんので、まだ簡単ですが、府下の衛星都市へ行けば必ず指導要綱があります。
豊中市を例に挙げますと、建築確認書を作成して市の内部を経由して経由印を押してもらうのに概ね3週間は掛かります。
その他に木造でも三階建てになりますと、要綱協議の他に中高層申請が必要になります。中高層申請に該当しますと、付近の住宅へ事前予告を行い意義のある住民に建物の概要を説明しなければなりません。
法律で定められた申請で最も多いのは道路にまつわる申請です。道路と思っていたのに法律に規定する道路でなかったりしますと、建築基準法43条ただし書き申請と云うものをしなければなりません。概ね一ヶ月を要します。また、道路が4m未満であれば道路境界明示を確定しなければなりません。地権者の数にもよりますが、2~3ヶ月を要します。斜面地であれば宅造法申請をしなければなりません。これも3ヶ月ほど要します。古くから人の住む地域だと文化財包蔵地域の申請があります。概ね申請だけで一週間。もし発掘調査が必要となると一ヶ月以上要します。
木造住宅の申請をするだけでもこれだけの申請が必要になる可能性があります。入居期限がある工事であれば、出来るだけ早くから準備することをお勧めします。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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