- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
(続き)
モンペリエ郊外のパン屋さんを何軒か。
パン・パイヤス pain paillasse
ところで、この辺りのパン屋さんの外観がとても気になります。
パリにあるいわゆるパン屋さんの構えでもなく、ましてやパリの先端のお店のようでなく、地方にある素朴ないかにものパン屋さんでもなく・・・・。
みんなてんでばらばら。なんか変わってる・・。
ミヤス millas
もともとはトウモロコシの粉を煮て作ったラングドック地方(このあたり)の地方菓子です。
これは今風に小麦粉かもしれません。中身はフランのよう。
一口齧ると、ぶわんとオレンジ花水の香りが!! ものすごく残ります(私はちょっと弱いのです)。
フアス fouace
フアスは多くはブリオッシュ生地で作るもので、フランスでもとても古いお菓子の一つ。
がっしり目ですが、おいしいものでした。やっぱり花水の香りが! さっきよりずいぶん上品に香ります。
南フランスによくみられます。
ムーナ mounas
もう少しがっしりした感じ。やっぱり花水
オレイエット oreillette
シュクレ生地を揚げたもので、ここラングドック地方のカーニヴァル用のお菓子です。
少し甘みがあります。オレイユoreilleはフランス語で「耳」、オレイエットoreilletteは「耳あて」といった意味です。
フガス fougasse
南フランスのパンで、オリーヴ油を加えて作るパンです。葉っぱのような模様が特徴的です。
ティエル tielles
中にいかのトマト煮込みが入っています。なんだか懐かしいような、なじみのあるような味!
「セートSeteのスペシャリテです」
セートはモンペリエから少し南西に行った海沿いの美しい町です。避暑地のようで、バカンス客の多いところ。
セートと聞いて、なんだか記憶の奥底にある味が蘇ってきました。ティエルはかなりローカルな食べ物のようで日本の辞書などには出てきませんが、そういえば昔セートで食べたことがあったはず! そのときのアルバムを繰ってみて、可笑しくなってしまいました。
「懐かしい味!」と。
フローヌ flaune
フローヌはフレッシュチーズや生クリーム、卵で作る、ラングドッグからオーヴェルニュあたりのタルトです。
初めて食べました!
これは「羊乳による」という但し書きがついています。優しい羊乳味のアパレイユが流してあります。
でもまた花水の香り! もういいよ、なくてもいいのに・・・です。
しかしこの辺りのお菓子にオレンジ花水はつきものなのです。
地方菓子がいっぱいで、これまたうれしくなってしまうパン屋さん巡りです。
全部の写真はこちらへどうぞ。
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