小諸市文化会館 第5回郷土伝統芸能のつどい
この演奏会は小諸市文化協会と小諸市文化会館の主催による発表会で、これまで5年に1回の間隔でおこなわれている発表会です。このように地元由縁の伝統音楽の発表会が開かれていることを今回初めて知りました。邦楽の分野に弱い私にとってこのような伝統芸能を鑑賞できる機会は非常に貴重なものでした。
今回、一番の目当ては「小室節」「小諸馬子唄」「信濃追分節」でした。マリンバのソロ曲として重要なレパートリーである黛敏郎作曲「木琴小協奏曲」の第2楽章は小諸馬子唄から着想を得ているということを聴いたことはあったのですが、生演奏の小諸馬子唄を今まで聴いたことはありませんでした。この発表会で小諸馬子唄だけでなく、その元となった小室節も鑑賞できたことは幸運でした。
伝統芸能とはいってもそのきっかけは地域性、仏教など宗教由縁のもの、時代変遷によるもの、と多岐に渡っています。特に地域性でいえば奈良時代から朝廷の官牧として名高い望月の牧や、江戸時代の北国街道と中山道の接合する追分宿など、地形から影響をあたえたものが音楽へと発展していったことを知り興味深い内容となりました。
今回の発表会では地元で伝統芸能の伝承をおこなっている皆さんで、音楽を職業としている方では無い方々が多くいらっしゃいました。ステージに出演された方々を見ると小学生から年配の方々がおられましたが、伝統文化の育成と継承をする熱意が演奏から伝わってきました。
◇第5回郷土伝統芸能のつどい◇
日時:2012年3月18日(日) 12時30分開演
会場:小諸市文化会館
出演:二十五菩薩来迎会
小室節保存会
ささら踊り保存会
小諸馬子唄普及会 等
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
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