中学校の課外活動の一つに部活動があります。
教育課程外ではありますが学校教育の一環として学習指導要領に定められた活動で、学校の管理下でおこなわれています。
今年2月に長野県教育委員会から「長野県中学生期のスポーツ活動方針」が出されました。
以前より長野県内の中学生のスポーツ活動や運動部活動にはいくつかの課題があり、県教委は「スポーツ活動検討委員会」を設け検討してきました。
委員会からの答申を受け素案を作成、それに対してのパブリックコメントを募集し、それを受けて今回の活動指針が出されました。
今回の指針はスポーツ活動についての内容ですが、中学生による地域の音楽活動や吹奏楽部の活動にも(やがて)直結していく可能性もあります。
私も立場上外野から見ているという立場ではないので、今回出された指針を読み取らなくてはなりません。
活動指針は長野県教育委員会のホームページに掲載されており、どなたでも閲覧ができます。
今回の指針の柱は
・中学生の運動部離れ
・体力、運動能力、競技力の低下
・「運動部活動の延長として行われている社会体育活動」のあり方
・既存の地域の社会体育活動の充実と、総合型地域スポーツクラブの育成・支援
の4本です。
今回の指針の中で特に注目を集めたのが「朝の運動部活動は原則として行わない。」という活動基準が示されたことです。
上記の4本の柱を見るだけではわかりませんが、それぞれの柱の中身を注意深く読んでみると各項目と関係することになっています。
とはいうものの朝部活のことについては唐突感が否めず、県内でも議論が沸きあがっており(まだ沸いています)、全国ニュースでも特集として取り上げられました。
朝部活については以前より肯定否定両論に分かれていましたが、県全体でのこれだけの大きな議論は最近です。
パブリックコメントの中でも寄せられた意見の件数も多く、それぞれの立場からの意見を聞いたり十分な議論がなされないままに指針として出されたことは残念です。
とはいえ、このことが今回の指針への関心を高めたことには違いありません。
次回以降、今回の指針についてお話ししたいと思います。
今回の指針は「学校、生徒、保護者、地域のスポーツ指導者等、中学生期のスポーツ活動に関わるすべての者」へ向けた指針です。
私にとっては「学校、生徒、保護者、地域の音楽指導者等、中学生期の音楽活動に関わるすべての者」という思いでいます。
大人にとって「子どもたちのためによりよい環境を」と願う気持ちには変わりはないのですから。
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
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