第22回 パーカッションフェスタ2011 冬
この演奏会は打楽器アンサンブルが24団体出演した演奏会で、開演が14時、閉演が19時30分という盛りだくさんのコンサートでした。出演団体は中学・高校・大学の吹奏楽部の打楽器アンサンブル、各音楽大学打楽器科の学生によるグループ、プロのアンサンブル、などでした。最近は打楽器アンサンブルのCDや楽譜といった情報が手軽に手に入れることができるような時代ですが、生の演奏会を「聴く・見る」ということにはかないません。
中学生・高校生のアンサンブルがこの日の出演団体の半数を占めました。長野県内は高校の地区大会以外のアンサンブルコンテスト(いわゆるアンコン)は1月に開催されるのですが、他の都道府県は大半が12月中に終えられます。アンコンで演奏した曲を演奏したチームもあれば、アンコン後に新曲に取り組んだ意欲的なチームも聴くことができました。
音楽大学の学生による打楽器アンサンブルは新しいレパートリーや打楽器を専門に勉強している学生ならではの凝った楽器編成の演奏もあり大変楽しめました。
出演団体のトリを務めたのはプロの打楽器奏者(しかも全員男性)からなる「打楽器集団『男群』」。この日のプログラムは力強い男性的な曲ではなく、デリケートでエレガントなマリンバカルテット(笠井亮作曲:Hello,My friend)と、メンバーが作曲したオリジナリティ溢れる楽しい曲(細谷晋作曲:Runner´s High)でした。
特別演奏として管打楽器コンクール打楽器部門第1位の大場章裕さんの演奏、それも本選で演奏された「ジョリベ作曲:打楽器協奏曲」の演奏がありました。私は会場に来るまで大場さんが演奏されるということを知らなかったので嬉しい誤算でした。一つ一つの楽器の音色がふくよかで美しく響き、また楽章ごとのキャラクターの違いが楽しめた好演でした。
【第22回パーカッションフェスタ2011 冬】
日時:2011年12月26日(月) 14時開演
会場:和光市民文化センター サンアゼリア 大ホール
主催:パーカッションフェスタ実行委員会(代表 藤井むつ子)、 (財)和光市文化振興公社
出演:中学・高校・大学吹奏楽部の打楽器パートによるアンサンブル
各音楽大学打楽器科の学生有志によるアンサンブル
アンサンブルリベルテ吹奏楽団打楽器パートによるアンサンブル
打楽器集団「男群」
特別演奏:2011年第28回日本管打楽器コンクール第1位受賞者 大場章裕さんによる「アンドレ・ジョリベ作曲 打楽器と管弦楽の為の協奏曲」 ピアノ伴奏 森浩司
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
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