DESの債権者側の税務上の取扱い(株式の税務上の時価) - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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DESの債権者側の税務上の取扱い(株式の税務上の時価)

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債務整理

3.債権者側の損金算入の留意点

(1)DESに伴い交付された株式の税務上の時価

①     適格現物出資の場合

適格現物出資に該当する場合には,「適格現物出資により交付を受けた被現物出資法人の株式 当該適格現物出資の直前の移転資産(当該適格現物出資により当該被現物出資法人に移転した資産をいう。)の帳簿価額から移転負債(当該適格現物出資により当該被現物出資法人に移転した負債をいう。)の帳簿価額を減算した金額(これらの株式の交付を受けるために要した費用がある場合には,その費用の額を加算した金額)」(法人税法施行令119条1項7号)と規定されています。

①  非適格現物出資の場合

 金銭以外の資産の給付により取得した有価証券の取得価額は,法人税法施行令119条1項2号において,給付をした金銭以外の資産の価額の合計額とされています。この点,DESは,債権者が保有する金銭以外の資産である債権を現物出資し,その対価として株式の交付を受けるものであるため,交付を受ける株式の取得価額は,現物出資をする債権の時価によることとなります。

法人税法施行令119条1項2号は,次の通り規定しています。「金銭の払込み又は金銭以外の資産の給付により取得をした有価証券(第4号又は第19号に掲げる有価証券に該当するもの及び適格現物出資により取得をしたものを除く。) その払込みをした金銭の額及び給付をした金銭以外の資産の価額の合計額(新株予約権の行使により取得をした有価証券にあっては当該新株予約権の当該行使の直前の帳簿価額を含み,その払込み又は給付による取得のために要した費用がある場合にはその費用の額を加算した金額とする。)」

 また,法人税法基本通達2-3-14(債権の現物出資により取得した株式の取得価額)において,子会社等に対する合理的な再建計画等に基づく非適格現物出資の場合には,時価による旨を規定していますが,法人税法施行令119条1項2号の確認通達と考えられます。

法人税基本通達2-3-14「子会社等に対して債権を有する法人が,合理的な再建計画等の定めるところにより,当該債権を現物出資(法人税法第2条第12号の14《適格現物出資》に規定する適格現物出資を除く。)することにより株式を取得した場合には,その取得した株式の取得価額は,法人税法施行令第119条第1項第2号《有価証券の取得価額》の規定に基づき,当該取得の時における給付をした当該債権の価額となることに留意する。(平15年課法2-7「八」により追加,平19年課法2-3「十」により改正))

(注) 子会社等には,当該法人と資本関係を有する者のほか,取引関係,人的関係,資金関係等において事業関連性を有する者が含まれる。

 

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