- 村田 英幸
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対象:事業再生と承継・M&A
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10 役員選任権付種類株式
(1)概要
当該種類株主総会において取締役又は監査役を選任することを内容とする株式です(会社法108条1項9号)。当該種類株式を発行した場合,当該種類株主総会によらなければ,取締役又は監査役を選任することはできません。公開会社では発行することはできません(会社法108条1項ただし書)。
(2)事業承継との関係
例えば,【事例】の甲が役員選任権付種類株式を保有していれば,役員の選任を甲がコントロールすることで,後継者や後継者以外の相続人の暴走を牽制することができます。また,後継者丙に取得させれば,相続により株式の分散が生じたとしても,丙は役員の選任を通じて,会社の主導権を握ることも可能になると思われます。
(3)導入方法
役員選任権付種類株式を新たに発行する場合には,発行可能種類株式総数および以下の事項を定款に定めることが必要です(会社法108条2項9号イロハニ)。
なお,定款変更のための株主総会決議は,特別決議です(会社法466条,会社法309条2項11号)。
(ⅰ)当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 (ⅱ)選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは,当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 (ⅲ)(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる事項を変更する条件があるときは,その条件及びその条件が成就した場合における変更後の(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる事項 (ⅳ)法務省令(会社法施行規則20条)で定める事項 |
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