自分で作る年金に活用できる公的な制度<小規模共済> - お金と資産の運用全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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自分で作る年金に活用できる公的な制度<小規模共済>

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事業主の方には既にご承知のことと思いますが、これから起業される方、未活用の方はご検討ください。

小規模共済とは、小規模な企業の個人事業主が事業をお辞めになる場合や会社等の役員が退職する場合に備えて、積み立てを行い、その掛け金に応じた共済金を受け取るという、事業主等の退職金制度とお考えください。

○掛金は全額所得控除が受けられます

毎月の掛金(1,000円~70,000円の範囲内500円単位)は契約者の所得から全額控除できます。
従いまして先述した2つの年金同様、年度の掛金×税率分が年間の収益と考えることが出来ます。
税法上の取り扱いと、税額は下記を参照ください。
http://www.smrj.go.jp/skyosai/051297.html

○共済金(自分で作った退職金)
65歳以上でかつ15年以上掛金を納付した人は老齢給付事由により共済金を請求できます。
一時払いであれば退職所得の扱いになり、極め大きな控除になります。
また年金受取(分割払)も公的年金等の雑所得扱いとなります(国民年金と同じ)。
国が「事業主のために作った退職金制度」として機能しています。

○現在の予定利率は1%です。
前述の利益を得た上で個人国債並みの予定利率が確保されています。
なお、予定利率は、将来、経済情勢や金利水準等が大きく変化した場合には、
変更されることがあります。→現在の低金利から見ると上がる可能性が高いことになります。

過去の利率は下記の通りです。
平成8年4月~それまでの「6.6%」から「4.0%」に変更
平成12年4月~「4.0%」から「2.5%」に変更
平成16年4月~「2.5%」から「1.0%」に変更

○事業主には嬉しい貸付制度があります。
長期間の掛け続けることが前提ですので、掛金の範囲内ですが、事業資金、傷病災害時等々の貸付制度があります。

デメリットとしては、
加入後1年以内の解約は、掛け金の戻りが無く、掛け捨てになります。長期的な資産運用とお考えください。
また、20年以上かけ続ける必要があります。
20年未満の場合には掛け金の戻りが減額されます。また、この場合には一時所得として課税されます。まさに、年金を掛け続けると同様の考え方でご加入ください。
なお、解約せずに前述の低利融資制度の活用をお勧めします。

●毎月払う掛金を減額する場合には相当の理由が求められます。
 業績悪化や病気等の理由が無いと減額が出来ません。
従いまして、小さな金額から始めて、事業が安定してから増額されるようお勧めします。
 
詳しくは、下記ホームページ手ご確認ください。
小規模企業共済制度
http://www.smrj.go.jp/skyosai/index.html
以上3つの制度を見てきました。
これらの制度は表面的な資金の運用利回りだけでなく、
税金の優遇制度、年金や退職金として受け取る際の税の優遇も受けられ、トータルすると高いパフォーマンスを誇っています。

リタイア後の資金をお考えでこれらの制度を活用できる方は、投資信託などの購入をお考えになる前に、これらの制度を充分に活用していただくよう、お勧めします

文責
ファイナンシャル・プランナー
&投資アドバイザー 吉 野 充 巨

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