先日、営業で車を走らせていると「売土地」の手書き看板があったので、記載されている電話番号へ電話を掛けてみました。
「看板を見て、お電話させていただいているのですが、この土地を売り出されているのですか?」
「はい、売り出していますけど・・・買い手はおりますか?」
「あの~、不動産業者さんですか?それとも、この土地の所有者さんですか?」
「ええ、所有者です」と。
そこで、具体的な金額を聞いたのですが教えてもらえず、土地を売りたいという意思はあるので、とりあえず来て欲しいとのこと。
売却依頼を受けるかもしれないということで、登記簿要約書をとり、道路調査、隣地所有者調査を行ってから、お伺いしました。
聞くところによると、夫が亡くなり相続で受けた土地だということ、以前は古アパートが建っていたとのこと。
処分したいので看板を出した、問い合わせはチラホラあるとのこと(本当かな?)
調査の結果判ったことは、この土地は道路に接していない袋地であること、つまりは、建物が建てられない土地なのです。
こうした土地は一般的には、隣地が購入される以外は、一般的に売却は困難な土地となります。
何せ、建物はたてられないし、車も敷地に入ることができない(隣地が通行承諾をしてくれればいいのですが)ですから。
結局、売却依頼をいただき、弊社から隣地の方へ購入を勧めるということになりました。
でも、もしこの所有者が作った看板を、一般の方が見て、買いたいという話になったとします。
売主買主の直接売買になった場合、契約引渡し後に、いざ建物を建てようとしたときに、実は建物が建てられない土地だと判明する、なんて可能性が大いにありました。(危ない、危ない)
家を建てるために土地を購入しようとする場合、その土地が道路(建築基準法上の)に2メートル以上接していないと、建物を建てることはできません。(建築基準法第43条)
建築基準法上の道路かどうかは、市役所の道路課で確認すれば教えてもらえます。
2メートル以上接しているかどうかは、測量図などで確認、もしくは現地を確認することで判明できます。
建物を建てるために購入を検討している土地や、譲り受けた土地が、建築基準法上の道路に2メートル以上接しているかどうかは、必ず確かめるようにしてください。
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