野田新政権の人選に思う

野田新政権が発足した。

閣僚人事に注目していたが、なかなか面白いし、期待したい顔ぶれだ。

私は仕事柄、経済関係閣僚に意識がいきがちです。

自身が被災者でありながら、被災地の知事に対して厳しい見解をお持ちの

安住国対委員長が財務相に就任した点は、国にバラマキを求めがちな

地方財政には厳しい人選では、と危惧する部分もあります。

しかし、ご自宅が全壊した被災者である新大臣により、復興支援に向けて

より真剣みを増すことは期待したいところです。

その点では、平野復興・防災相、細野原発相の留任は、政策の継続性や

迅速性が必要なポストであることを踏まえて妥当だと思います。

特に、細野氏は環境相も兼務することは、自然エネルギーへのシフトを

進めていくためにも必要だったと思います。

私が大いに期待したいのは、国家戦略相と経済財政相を兼務する

古川元久党税調筆頭副長の起用です。

私はここでもかねてから期待する旨を書いてきましたが、大蔵省OBで

民主党きっての税制通ですから、財源問題と平行して議論せざるを得ない

税制改正を主導する立場に、税制通が起用されたことは嬉しいですね。

残念ながら民主党には税制に精通した方が少ないですから･･･

ただ、安住氏が49歳、古川氏が45歳、細野氏が40歳と若いだけに、

決して経済に明るいとは思えない（失礼ですね）鉢呂党副代表が経産相、

川端元文科相が総務相に就任し、国民新党の自見金融相が留任したのは、

各氏が経験豊富なまとめ役的な方であることが理由かもしれませんね。

経験不足が懸念される経済政策を担う若きニューリーダーを支える

重鎮たちの役割は大きいと思いますよ。

また、鉢呂氏が経産相に起用されたことからすると、

農業再生に取り組むとの思いがあるのかもしれません。

鉢呂経産相、鹿野農相、平野復興相は農政通ですからね。

また、小宮山洋子厚労副大臣が厚労相に昇格したことにより、

タバコ税の大増税が想定されることになります。

小宮山氏は、禁煙運動の推進者で、昨年の税制改正論議においても、

たばこを欧米並みの1箱1000円まで上げて、その財源によって

健康増進施策を行うべき、との持論を展開されていましたからね。

この点では、政権を奪取した鳩山さんの民主党マニフェスト2009でも、

酒税・たばこ税については、健康に害する度合いに応じた課税を

主張されていたのですから、たばこ税増税は避けられそうもありません。