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平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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IMF、財政再建路線を支持も、さらなる消費増税を示唆

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税制改正 平成23年度税制改正

IMFは19日、日本経済の健全性調査の結果を公表した。

http://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/survey/so/2011/car071911aj.pdf

 

IMFはこの調査結果より、日本の公的債務が対GDP比220%を超え、

先進国で最も高い水準であることから、「社会保障関連支出の抑制、

税収の増加、及び構造改革を通した成長の押し上げなど、財政に対する

信認の強化に向けた改革の実施を提案した」。

「既に日本政府は、2010年代半ばまでに売上税を現在の2倍の10%まで

引き上げ、プライマリー赤字を(GDP比で)半減する計画を明示している。

これは、社会保障支出の改革や定年の引き上げ、年金の調整といった各案

とともに6月に発表され他一連の施策の一部である。

IMFは、日本政府による財政再建案を歓迎する一方で、公的債務水準の

削減を5年以内とより速いペースで進める、一段と積極的な措置が必要だ

とした。これは、東日本大震災による経済の低迷から立ち上がる過程を、

是が非でも必要だった構造改革を推し進める契機とすることへの

IMFの期待を反映したものである」としている。

 

また、この調査結果を受けIMF対日本代表団のプラダン団長は、「日本が、

引き続き現在の重要かつ力強い役割を果たすためには、経済の頑健性と

成長見通しの向上に向け、財政及び構造改革を実行しなければならない」

とコメントしている。

 

つまり、IMFは日本の財政健全性の回復こそが日本経済への国際社会の

信認を得るための方策であり、逆に言えば、日本の赤字財政体質の是正が

見込めないのであれば、日本国債の格付けが大幅に引き下げられ、円が

安くなることを示唆するものであると考えられる。

 

ただ、日本国債については、世界的に例を見ないほど、国内取引で

消費されているから、ギリシャ危機のようなことは起きにくいだろう。

また、IMFの誤訳であろうが、消費税を「売上税」と訳しており、

日本の消費税法の構造が、売上に対して消費税が課され、特典的に

仕入税額控除が許されていることを揶揄しているように感じてしまった・・・

(この点は、最高裁平成16年12月16日判決及び同年同月20日判決を

確認して頂きたい。特に20日判決の滝井反対意見はご一読頂きたい)

 

与謝野経財相が強行に消費増税にこだわるのは、氏の信念もあろうが、

IMF等の国際社会からの財政再建要求にも力を得ているのでしょうね。

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