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平 仁
ABC税理士法人 税理士
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消費税ってどんな税?(4、複数税率?)

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やさしい税金教室 消費税

消費税は、導入に対する猛烈な反発があったため、負担感が小さく、

分かりやすい税率として、世界的にも珍しい単一税率制を採ってきました。

導入当初は3%、平成6年改正(9年施行)で5%に上がりましたが、

OECD諸国でも、消費税率は極端に低い国になっています。

 

しかし、諸外国では複数税率制を取っていますので、OECDが主張する

ように、日本は消費税を20%(OECD諸国の平均税率)まで上げるべき

という議論を素直に受け取るわけにはいきませんね。

 

イギリスでは、標準税率が17.5%、食料品はゼロ税率が原則で、

標準税率が適用される食料品が掲名される形で規定されています。

フランスは、標準税率が19.6%、食料品は5.5%の軽減税率が原則で、

標準税率が適用される食料品が掲名されるのはイギリスと同様です。

ドイツは、食料品も標準税率の19%ですが、多くの日用食料品が7%の

軽減税率が適用される物品として掲名される方式を採っています。

 

そうすると、日本が今後、消費税を増税する場合に、どうすべきなのか、

国際的にみて明らかですよね。

日用品として生活必需品、特に食料には軽減税率が適用されるよう、

複数税率制を導入することが必要だ、ということです。

 

昨今の消費税増税論議は、単純に税率を上昇のみが一人歩きしています。

麻生内閣での与謝野経済財政相が示した社会保障財源として消費税率を

段階的に上げていくロードマップは、単純に単一税率のまま、消費税率を

上げていくというもので、複数税率制を検討するものではありません。

その責任者であった与謝野氏は、菅内閣においても経済財政相として

社会保障と税の一体改革の陣頭指揮を採っていますから、当然のように

その頭の中には、単純に税率だけを上げていくことがあることでしょう。

 

消費税率20%というのは、くしくも小沢さんが自民党幹事長時代に

主張していた将来的な消費税率と一致するものですが、

現在の増税論議においては、残念ながら消費税制度の内容に踏み込んだ

複数税率制を含めた話が置き去りにされている感が否めません。

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