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平 仁
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東京都
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OECD対日経済報告書2011(1、消費税20%!?)

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OECDは21日、「対日経済審査報告書2011」を公表し、

東日本大震災後の経済見通しを発表した。

http://www.oecdtokyo.org/theme/macro/2011/20110421jpnsurvey.html

東日本大震災後の経済見通し、金融政策、財政政策、新成長戦略、

教育システム、労働市場、の6分野についてのOECDの公式見解を

まとめたものである。

 

今日は衝撃的な内容を含む財政政策を紹介したい。

 

まず、「長期にわたる低い経済成長と減税が歳入を抑制してきた一方、

数々の財政刺激策と人口高齢化などに関連した歳出圧力が政府支出を

押し上げてきた結果、1993年以降、18年連続して財政赤字が続いている。

その結果、グロスの公的債務残高は、200%(GDP比)といった未知の

領域まで急速に増加し、ネットの公的債務残高についても、115%程度と

OECD地域の中で最も高くなっている。」と問題提起する。

 

そして、「人口高齢化のもと、社会保障基金への補助金により、国の

社会保障費は、今後10年間にわたり2%(GDP比)程度増加すると

見込まれている」から、「社会保障については安定的な財源を確保する

といった財政運営戦略の基本ルールを守ることが重要」となり、

「年金保険料率を2017年度までに18.3%引き下げる、稼ぎ手が一人の

夫婦世帯の所得代替率を60%程度から50%程度に引き下げる、

そして、男性については2025年、女性については2030年までに

年金支給開始年齢を60歳から65歳に段階的に引き上げるといった改革が

行われている」が、「将来、追加的な改革が必要になるかも」しれず、

「その場合は、年金の支給開始年齢をさらに引き上げることが最善の

選択肢になる」としている。

 

そこで、「追加的な歳入としては主に消費税に頼りつつ、直接税の

課税ベースの拡大や労働参加を促進するといった包括的な税制改革を通じて

歳入は増加されるべきである。」とするが、「基礎的財政収支を均衡させる

ためには、消費税率は現行の5%から、5~9%程度引き上げられなければ

ならないだろう。債務残高比率の安定に必要となるであろう3%(GDP比)

の基礎的財政収支黒字の達成のためには、さらに6%程度の消費税率の

引き上げが必要となり、消費税率は欧州の平均である20%に向かっていく

ことになるであろう。」と提言する。

 

 

 

つまり、OECDは、消費税率の引き上げによる税制再建は、消費税率20%

以上が必要であり、それでも年金支給年齢のさらなる引き上げが必要となる

ことを指摘している、と言えよう。

 

消費税率20%といえば、自民党幹事長時代の小沢さんの主張とぴったり

一致するのは偶然ですが、ヨーロッパの消費税は複数税率が一般的で、

平均した消費税率が20%というだけですから、実際の消費税率は

25~30%になる可能性が高いでしょうね。

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