
- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:新築工事・施工
静岡は暖かい土地柄、暖房は室内に置く灯油のファンヒーターとこたつ、と言うご家庭が多いですね。
私は、北海道に7年住んでおりましたが、ほとんどのお宅は灯油のストーブでした。
ただし、やはり寒いので付けている時間が長い(24時間の場合も)のと、小さなファンヒーターではとても寒くて居られないので、大型のストーブで、煙突が付いているものでした。
秋口になると、ホームセンターには煙突(といっても薪ストーブに使うような二重煙突ではなく、シルバーのブリキのシングル煙突)が陳列されます。
長さがいろいろあり、エルボ(コーナー部分)も売っていて、それを自分でつなげて行きます。
はじめて自分でつなげる時、エルボの曲がり加減(コーナー角度)の調整の仕方が分からず、地元の人に笑われました。
(両方から一升瓶を差し込み、その瓶を持って角度を付けるのが正解)
話が逸れました(笑)。
さて、今回の地震を受け、計画停電が実施されているため、コンセントに刺さなくても火が付く灯油ストーブが売れたそうですが、一般には灯油のファンヒーター。
でも、ここで素朴な疑問。
「灯油のストーブと電気のエアコン」どっちがお得?
実はちゃんと計算出来ます。
電気は、1kwhで、860kcal。
灯油は、1Lで、8,900kcal。
1,000kcalの熱を作り出す場合、
電気は、1.16kwh
灯油は、0.112L
必要という計算になります。
電気も灯油も値上がりしてしまうので、地震前で考え、電気を24円/kwh、灯油は98円/L で計算します。
そうすると、上の1,000kcalの熱を作り出す場合に必要な金額は、
電気では、24円×1.16kwh=約28円
灯油は、98円×0.112L=約11円
と言う計算になります。
倍以上電気の方が高いですね。
しかし、話はここで終わりません。
そもそもエアコンというのは、ヒートポンプと言いまして、簡単に言えば、電気を直接熱にするのではなく、電気でポンプを動かし、熱を汲み出します。
つまり、クーラーを使うと、室外機からは暑い空気が、暖房運転だと室外機からは冷たい風が出ます。
熱を汲み出しているのが分かりますね。
ちなみに、エコキュートもヒートポンプですので、室外機からは冷たい風が出てきます。
「空気でお湯を沸かすから…」とCMは言っていますが、別に空気で沸かしている訳ではありません。
↑
詳しく書くと、エアコンのヒートポンプのはフロンガス(今は代替えフロン)ですが、エコキュートは二酸化炭素なんです。
だから空気で…と言ってるのですね。
エアコンの場合、ヒートポンプなので、ポンプを動かすエネルギーによって熱を汲み出すのが、直接電気を熱に替えるよりも遙かに効率が良く、最近の機種は、電気「1」のエネルギーに対して、熱「5」位を作る事が出来ます。
これを、COP(成績係数)と言いまして、エアコンのカタログには載っています。
先程の
電気では、24円×1.16kwh=約28円
灯油は、98円×0.112L=約11円
に戻りますが、エアコンの場合、COPが5なら、かかる電気代は1/5。
つまり、上の比較では、
電気:28/5=5.6円
灯油:11円
と言う事になり、これだけ灯油が高くなり、反対にエアコンの性能が上がってくると、エアコンの方が安いんですね。
もっとも、エアコンの風は、ファンヒーターに比べて温度が低いので、何となく肌寒く感じる事も事実ですので、一概に電気がお得と言えないのも難しいところです。
ただし、煙突のない石油ストーブを室内で燃すと、使った灯油×2の水が水蒸気として室内に放出され、これが結露やカビの原因になる事を忘れてはいけません。
施工:株式会社マクス 代表取締役 鈴木克彦ブログ: 【頑張れ四代目日記】
このコラムに類似したコラム
やっと見つけました。 信戸 昌宏 - 建築家(2017/12/05 12:00)
タイル工事完了 信戸 昌宏 - 建築家(2017/03/07 12:00)
上棟しました。 信戸 昌宏 - 建築家(2015/12/17 12:00)
お客様宅の変化 信戸 昌宏 - 建築家(2015/07/04 12:00)
もう大丈夫ってことでしょうか。 信戸 昌宏 - 建築家(2015/06/14 12:00)