- 柳原 里枝子
- 株式会社ハートセラピー 代表取締役
- 東京都
- 研修講師
対象:企業メンタルヘルス
- 藍色 シアン
- (メンタルヘルスコンサルタント)
- 藍色 シアン
- (メンタルヘルスコンサルタント)
「うつ病」になる要因はさまざまです。と前回申しましたが今回はその中の一つを見てまいります。
1)まじめで責任感の高い性格の方が、ご自身の限界に気付かず無理をして発症する
うつ病になりやすい性格として以前から言われているのが「まじめで責任感の強い人」「こだわりの強い人」
「融通がきかない人」「仕事を他の方に任せられない人」「自分にはストレスなんてない」と思い込んでいる人などがあります。
こうした方々は、一生懸命な故に自分の体調など省みずひたすら残業などもして燃え尽きるわけです。
バーンアウト(燃え尽き)症候群という言葉もありますよね
事例1
40歳男性 技術者
新規の開発を任されて、4ヶ月間睡眠時間は4時間以下、土日の休みも殆ど取らずに業務をこなす。
開発終了後、突然朝吐き気・頭痛がして会社に行きたいが、足枷をされている感覚もあり行けなくなる。
病院にて「うつ病」と診断された。
この方は、大変まじめな方でうつと診断されても、休職するとみんなに迷惑がかかるから・・2週間後~で良いでしょうか
と休職を渋りました。もちろん、すぐに休職していただきましたが、休職中もはじめのうちは復職を焦り
少し体調が良くなったから復職したいと、申されていました。
カウンセリングの中でお話しを伺うと、鬱になるまでの4ヶ月間全くストレスも感じず、体調不良も感じず
と言う状態だったそうです。
この自覚症状がない状態「ストレスなんて自分はありません」と思っている状態が一番危ないのです。
実は体は、ホルモンや自律神経がストレスと秘かに戦っており、本人の自覚がないままに多大なエネルギーを
使っているため、いずれはバタン!という状態になるのです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、通常寝ている時は副交感神経が優位となり
リラックスするわけですが、過労や不安などで常に緊張している場合、交感神経が寝ている時さえも優位となり
ずーっと緊張してリラックス出来ていないことになるのです。
また、睡眠時間が4時間以下ですとうつ病だけではなく、虚血性心疾患や脳疾患などの罹患率が上がります。
この方だけではなく、今私は企業に訪問して社員の方々と予防的な面談をしておりますが
業界によっては、深夜までの残業が当たり前と企業も多く、そこで働く方々は業績を上げるために一生懸命で
馬車馬のごとく働かれています。
やはり、体力の弱い方やまじめな方から順番に倒れている状況もあるようです。
企業としては、売り上げを上げたいですから社員がともかく頑張ってくれることが良い!と思う
のかもしれませんが、やはり長い目で見ますと人材を大切にするべきですよね
組織ぐるみで無駄の廃止等、業務改善をすることも大切ですが、個人的にはご自身の限界に気付くことが
大切です。
必ず、自覚症状がなくなる前に頭痛・肩こり・集中力低下・風邪をひきやすくなるなどの予兆があります。
ご自身の予兆を知り、その時には早めに帰るなど調整してください。
まじめすぎる方は「まあいいか」と言う考えも持つようにしましょう!!
時には、一人で抱え込まず 周囲のサポートを求めることも大切です。
ちなみに、「まあいいか」を10回繰り返すと本当にまあいいかモードになりますのでお試しあれ
下記アドレスは、ご自身でセルフチェックできるサイトですのでご参照ください。
「労働者の疲労蓄積度チェックリスト(厚労省)」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/05/dl/h0520-3a.pdf
いろいろなストレス対策については追々書かせていただきますね
(メンタルヘルス対策とハラスメント対策で働きやすい職場づくりを支援します!株式会社ハートセラピー)
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