中古住宅や建売住宅(新築一戸建)は、売主と買主が「土地建物売買契約」を締結し、残代金決済と同時に所有権が移転することが一般的です。
一方、土地を購入して自ら選んだ建築会社で建物を建築する場合は、最初に、土地の売主と「土地売買契約」を締結、残代金決済をして土地の所有権を取得したうえで、建物について建築会社と「請負契約」を締結し、完成後に引渡しを受けます。
最終的には、どちらのケースも土地建物の所有権を取得することになりますが、それまでの「お金の流れ」に大きな違いがあります。
特に、融資を利用するときには、よく理解しておきましょう。
「土地建物売買契約」では、通常、お金を支払うタイミングは、売買契約締結時(手付金)と引渡時(残代金)の2回です。
融資は残代金決済時に実行され、同時に抵当権が設定されます。
「土地売買契約」と「建物請負契約」をおこなう場合には、少し複雑です。
土地売買契約については、売買契約締結時(手付金)と引渡時(残代金)の2回ですが、その後の建物の請負契約では、建築会社等により支払い条件に相違があるものの、一般的には、着手金、中間金、残代金のように数回に分けて支払うタイミングが出てきます。
融資は、原則として土地建物の所有権を取得したときに実行されるため、自己資金が少ない場合や、建物の請負契約の支払い条件で引渡しまでにある程度の資金を要する場合には、土地の残代金決済や建物の支払い条件にあわせていったん融資額の一部を段階的に実行してもらう必要があるでしょう。
そのため、「お金の流れ」に関しては、取引の途中で困らないように、金融機関や建築会社との事前の打ち合わせが欠かせません。
土地を購入して自ら選んだ建築会社で建物を建築する計画を立てる際には、いつ、いくら必要なのか、お金の流れを把握し、ローン返済がはじまってからの資金計画だけではなく、引渡しを受けるまでの資金計画もしっかり立てておくことが大切です。
CFP®・不動産コンサルティング技能登録者 永田 博宣
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