このコラムでは、事業計画のタイトルのもとに事業計画をどのようにして作成していくの、主要ポイントをシリーズ化して以下の項目について説明しています。
今回は、その第6回目として詳細事業計画を書くポインーその3について説明いたします。
詳細事業計画には、以下の項目が含まれます。
(1)対象市場の見方・認識
(2)営業・販売計画
(3)広告・宣伝計画
(4)人員計画
(5)財務計画
今回は、事業計画作成ポイントのうち、(3)広告・宣伝計画 について説明いたします。
先ず、宣伝広告とは、何か定義したいと思います。
私の定義は、ターゲット顧客に対して、商品・サービスをどのように知らしめ、アプローチしていくかの方法です。
実施するには、どの広告媒体にどのようなメッセージをのせるか、予算なども含めて明確化します。
広告媒体には、チラシ、ミニコミ誌、新聞、雑誌、インタネット、DM(Direct Mail)、ファックスDMなどがあります。
この中で費用対効果を考えて広告媒体を決めます。
各広告媒体の特徴は、以下の通りです。
チラシ
紙面が多いので商品説明がしやすい。小売店必須ツール。
ミニコミ誌
無料でPR記事として書いてくれる。紙面が限られている。読者が少ない。地域密着型であり、店舗、飲食店向け。
一般雑誌
価格が高い。信頼性はチラシより良い。紙面が限られる。
新聞
信頼性が高いが審査が厳しい。紙面少ないので2ステップ広告が良い。業界新聞もある。コストは高い。
ラジオ
コストは総じて安価。
テレビ
効果は高い。電話番号を書き留めさせることが肝要。コストは高い。
インターネット
予算が少ない人には良い。メルマガ。ブログ、ホームページ(Webサイト)、アクセスアップ対策(SEO/SEM対策)、興味を引くキーワード、信用性・信頼性の向上が重要。
テレマーケティング
電話をする人のスキルに依存。サンプル提供・資料送付などは効果が高い。
ファックスDM
有効な手段の一つ。最近は反応率が下がっている。読み手の心理を把握し効果的な言葉を使用。
郵送DM
複数のフォロー手段を使うことにより効果が異なる。
パンフレット
商品の機能・性能・特徴を記載。セールスマンに携帯させ顧客に説明、配布する。
起業したばかりのベンチャーや中小企業は、一般的にお金がありませんし、仮にお金が多少あっても、余計なことにお金をかけずにケチに決してお金を貯めることです。
では、お金をかけずに宣伝広告を行う方法はあるのでしょうか。
この中で、安いコストで広範囲にも、ターゲットを絞った狙い撃ちににも、有効な広告媒体は、上述しましたようにインターネットです。
これは、日本が世界でもまれな、ADSLや光ケーブルの普及でとても安い料金でブロードバンドのインターネットを使える環境が整った国になったことによります。
従いまして、お金がないベンチャー企業・SOHOや中小企業が、低コストで多くの情報を掲載できる媒体は、インターネット(特に、Webサイト)です。
総務省がまとめた、平成20年版 情報通信白書によりますと、平成19年末のインターネット利用人口は、''8,811万人(対前年比0.7%増)、人口普及率は69.0%(対前年0.5ポイント増)''と推計されています。
・また、個人の属性別インターネット利用率について、平成19年末と3年前の平成16年末で比較すると、世代別の利用率は、すべての世代においてインターネットの利用が拡大していることが分かります。
・特に50歳から79歳までの世代においては、3年前より10ポイント程度増加しており、利用の伸びが顕著です。
・都市規模別の利用率は、特別区等では横ばいであったが、その他の市では5.6ポイント、町・村では10.7ポイントの伸びを示しており、都市規模間でのインターネット利用率格差は縮小傾向にあります。
・所属世帯年収別の利用率は、1,500万円以上では、3年前と比較して大きな変化はないが、1,500万円未満では伸びており、特に400万円未満では8ポイント近くの伸びとなっています。
この総務省調査が示していますのは、世代や地域、収入に関係なく日本国内全体でインターネットを使用する環境が広がっていることを示しています。
この点からも、私は広告宣伝にインターネットを活用することを強くお勧めしています。
今回は、ここまでとします。
次回は、引き続いて詳細事業計画を書くポイント、インターネットを活用した広告・宣伝計画について説明いたします。
私のコラム記事についてコメントやご質問があれば、何時でも私までご連絡ください。お待ちしています。
今後ともよろしくお願い致します。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家

- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。
「経営戦略」のコラム
日経記事;『ソニー成長へ、クラウド補完 米マイクロソフトと提携 サブスクを収益の柱に』に関する考察(2019/05/23 11:05)
携帯端末に見る世界市場でのグローバル企業との競争に関する考察(2011/02/15 08:02)
電子書籍に見る;プラットフォーム構築による新規需要創出の促進(2010/11/02 15:11)
記事:高島屋,受発注電子化を拡大 11月に新システム に関する考察(2010/09/05 07:09)
富士通,専任5000人育てる クラウドへ人もカネもに見る 経営戦略(2010/08/17 10:08)