- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
2月3日の日経新聞に、『揺らぐ400年の信用 技術革新で誰もが「銀行」に』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『米投資家のアダム・リーさんは2021年夏、スマートフォンで中古車の購入用に百数十万円を借り入れた。借入先はインターネット上にお金を預ける見知らぬ個人だ。
つなぐのはDeFi(分散型金融)というプログラムだ。暗号資産(仮想通貨)を使う融資は数秒で済む。DeFiに流れたお金は昨年11月で11兆円と1年で5倍。そこに銀行の姿はない。。。』
現在、私の支援先を含む多くのベンチャー・中小企業が、海外企業・個人とのビジネスのやり取りに、決済を行っています。
一般的に、海外との決済は、クレジットカード、PayPalのような決済代行サービス、銀行間送金などの仕組みが活用されています。
決済金額があまり大きくない場合、決済処理を迅速に行うため、クレジットカードやPayPalのような決済代行サービスが多く利用されます。
決済金額が大きくなると、銀行間送金が多く使われるようになります。また、銀行間送金は、前払いだと輸入者が商品を受け取れない可能性がありますし、後払いだと輸出者が代金を受け取れないかもしれないリスクがあります。
このようなリスクを避けるために、従来、L/C(Letter of Credit:信用状)が使われています。L/Cは輸入者(買手)の取引銀行が輸出者(売手)宛てに発行します。輸出者が信用状条件に基づく書類を提示することにより、銀行が輸入者に代わり、輸出者に対して代金の支払いを保証する確約書です。
このL/C決済は、輸出者および輸入者共に、最も安全な手段になります。しかし、L/C決済の課題は、間に入る銀行に対して支払うL/Cの手数料など取引にかかるコストと複雑なプロセス・手間です。
このため、特に米欧市場での企業との支払決済には、多くの場合、銀行間送金やクレジットカード、決済代行サービスが使われています。
さて、上記のクレジットカード、PayPalのような決済代行サービス、銀行間送金などの仕組みを利用するには、それなりの手数料の支払いが必要になります。
更に、銀行間送金の場合、当方の指定した口座への入金までに時間がかかります。最近、国内都市銀行が中心となって海外との送金の仕組みを、インターネット・ITを活用してより、シンプルに、かつ、低コストで実施できるように動いています。
都市銀行がこのような国際送金の仕組みを変えようとしているのは、フィンテック企業がインターネット・ITをフル活用して、低コストで海外送金や融資を行い始めていることによります。
本日の記事にありますDeFi(分散型金融)は、その一つになります。DeFi(ディーファイ)は、Decentralized Financeの略語で、日本語で分散型金融と言います。言わば、中央管理者のいない金融仲介アプリケーションになります。
DeFiを実現するのは、仮想通貨で使われているブロックチェーン技術です。DeFiの仕組みや課題、今後の発展の可能性などについては、下記のPwCコンサルティング合同会社が書いていますWebサイト「足元で広がる分散型金融を活用したDeFiサービスと今後の発展可能性」が参考になります。
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/journal/finance20220118.html
現在、ベンチャー・中小企業が海外の企業や顧客との支払決済に、多くのコストと時間を要しています。
今後、DeFiのようなフィンテックサービスが、数多く登場して、より安全で、シンプルに、迅速に、低コストで、海外との支払決済や送金が実施できる時期が近々に来ることを大いに期待します。
国内ベンチャー・中小企業は、上記のようなフィンテックサービスが、安全に、かつ、いつでも誰でも簡単に使えるようになれば、より一層輸出ビジネスの拡大を実現できます。
それは、日々の業務として、ベンチャー・中小企業の輸出事業を支援している私の体験から、確実に言えます。
この視点から、DeFiのようなフィンテックサービスの進捗に、大きな関心をもって注視していきます。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。
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