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閲覧数順 2024年04月19日更新

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40歳以降で住宅ローンを借りる場合は2本立てがよい?!

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40歳以降で住宅ローンを借りる場合は2本立てがよい?!

 

最近、都内の住宅価格はかなりの勢いで価格上昇を続けています。

不動産経済研究所の調査では2021年上半期の首都圏新築マンションの1戸当たりの平均価格が6,702万円となったと紹介されています。

これほどまでに不動産価格が上昇しても購入の際には住宅ローンを借りないとなかなか買えないのが現実です。

近年では結婚時期も晩婚化が進んでおり、40歳代で住宅購入という人も少なくはありません。

そんな世代で住宅ローンを組むにあたり、どんな組み方がいいのかを考えてみました。

 

住宅ローンを借りるなら2本立て

40歳以降で住宅ローンを組むのであれば、2本立ての住宅ローンを検討する必要があります。

仮に40歳で35年返済のローンを組んだ場合に、ローン返済が終わるのは75歳です。65歳で定年になるとすれば、65歳から75歳までの間は、年金以外の収入がありませんから、65歳以前と同じペースで返済するのは無理があります。

 

下記にあります「40歳で住宅ローンを4000万円、35年返済で借りた場合」のシミュレーションを見てみましょう。

1つは元金4000万円すべてを1本の住宅ローンで組んだ場合、もう1つは4000万円のうち、元金1500万円は35年返済、残りの元本2500万円は60歳で完済する20年返済とした場合です。図を見ておわかりのように1つは定年以降も毎月11万円ほど返すことになりますが、2本立ての住宅ローンを組むと60歳以降の返済額は年金収入でも返済できる数値となっています。

しかも、総返済額を見ると2本立ての住宅ローンの方が220万円ほど少なくて済みます。ここから読み取れるのは、ローン元金1本の長期返済はいかに返済総額が多いということが理解できます。

 

<40歳で総額4,000万円の住宅ローンを借りた場合>

 

A.ローン元金が1本の場合

・条件:35年固定金利 年利1.02% 元金は4,000万円 75歳まで返済

35年間 毎月113,287円の返済 ⇒ 総返済総額 47,580,749円

 

B.ローン元金が2本の場合

・条件①:35年固定金利 年利1.02% 元金は1,500万円 75歳まで返済

35年間 毎月42,483円の返済 ⇒ 返済総額 17,842,781円

 

・条件②:20年固定金利 年利0.97% 元金は2,500万円 60歳まで返済

20年間 毎月114,639円の返済 ⇒ 返済総額 27,513,430円

60歳までは毎月157,122円 61歳以降は毎月42,483円の返済

総返済総額は①+②=45,356,211円

 

★Aの総返済総額:47,580,749円-Bの総返済総額:45,356,211円=2,224,538

⇒ 元金1本の長期返済の方が約220万円も返済総額が多い

 

住宅ローンはある意味よい借金であると言えますが、それでも毎月のローン返済に耐えられなくなって、家を売却したり、最悪のケースで自己破産する人もいます。

そういう人らに共通して言えることは「いくらまで借りられるか」だけを考えて住宅ローンを組んでいることです。

 

住宅ローン返済のリミットは年収の何パーセントまでがいいのか?

金融機関は、年間の住宅ローン返済のリミットを年収の35%までとしていますので、例えば、年収600万円の人なら、年間210万円(毎月17万5000円)の返済から逆算してローン限度額を組みます。

この場合の借入れ上限額は35年返済で全期間固定金利1% とした場合、なんと6200万円の借入れが可能なのです。

しかし、よく考えればおわかりのように、毎月の返済にこれだけ出費していれば家計が持つはずがありません。

住宅ローン借入れの基本は「いくらまでなら返せるか」を計算することです。

私は住宅関連の家計の負担は年収の20~25%までとアドバイスしていますが、この年収の場合であれば、年間返済額は約150万円(月々12万5000円)となり、この程度であれば無理なく返済していくことができます。

ちなみに、この返済額であれば35年返済で全期間固定金利1% とした場合、概ね4420万円の借入れが可能になります。

 

失敗しない自宅購入の条件とは?

物件を決める際にも、物件を探してから予算を組むのではなく、緻密に毎月の返済などをシミュレーションして、

予算を先に決めてから物件探しをする方が正解です。

失敗しない自宅購入の条件をまとめるとこうなります。

 

1 (できれば)購入価格の20% となる頭金を用意する

2 住宅ローンの返済期間は65歳までとする

3 毎月の返済は家計支出の20~25%までとする

4 住宅ローンの金利は2%以下とする

 

以上の条件を満たすことができれば、住宅ローン返済で生活が行き詰るという可能性は低いでしょう。

世代別の返済方法を考えると、一つには定年を迎える65歳から逆算して、30歳で35年ローンを起点にして、年を経るごとにローン期間を短くして65歳で完済するという考え方があります。

40歳なら25年ローンですし、50歳なら15年ローンになります。

当然、ローン期間を短くすると毎月の返済額が嵩みますから、その分を最初に頭金を用意して住宅ローンの借入金を軽減することです。

 

ひと昔前は退職金をローン残債の完済に充てるというやり方もありましたが、これは将来が見えてこない30代、40代ではリスクを伴います。50代を過ぎれば退職金の計算も立つでしょうから、可能かもしれませんが、いつ退職金が減額されるかもわからないこの時代ではお勧めできません。

 

50歳以降で住宅ローンを借りるのであれば、その時点で一番低い変動金利を選択して短期で完済する住宅ローンの組み方が賢い方法です。

65歳での完済がどうしても無理な場合には、先に挙げた2本立ての住宅ローンにして、65歳以降に無理のない返済額にすることでしょう。

 

まとめ

住宅ローンを組む際にはだれに相談したらいいのか、なかなかわかりませんよね。

不動産会社の営業マンに聞いたり、銀行のローン担当者に聞いたり、また、ファイナンシャルプランナーに相談したりと…

最善の住宅ローンの組み方はその人の年収や家族構成、年齢や勤務先の状況によって異なりますので、一元的な答えはないと思っていた方がいいでしょう。

また、金融機関の住宅ローンの審査基準などを熟知していないと、住宅ローンの商品も提案ができません。

高額の住宅ローンを組んで住宅を購入した後にあの時、ああすればよかったと思わないように、何名かの専門家に相談してみることです。

 

記事執筆者

■プロフィール■

寺岡 孝

アネシスプランニング株式会社 代表取締役。

住宅コンサルタント。

住宅セカンドオピニオン。

大手ハウスメーカーに勤務した後、2006年にアネシスプランニング株式会社を設立。

住宅の建築やマンションなどの不動産購入・売却などのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、これまでに2500件以上の相談を受けている。

東洋経済オンライン、ZUU online、ホームフォーユー、スマイスター、楽待などのWEBメディアに住宅、ローン、不動産投資についてのコラム等を多数寄稿。著書に『不動産投資は出口戦略が9割』『一生役立つ「お金と住まい」の話』『不動産投資の曲がり角 で、どうする?』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

問い合わせ先

〒103-0023

東京都中央区日本橋本町3-3-6 ワカ末ビル7階

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電話:03-6202-7622

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