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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年12月12日更新

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カナダに広がるアジア人へのHate Crimeと警察のSystemic Racism

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アメリカ全土に洪水のように広がるアジア人への憎しみを込めた攻撃が続いています。 

実はこのような人種攻撃はずっと続いており、太平洋戦争中の日系アメリカ人強制収容もそのひとつですが、トランプ時代に堕落したアメリカがそれを強力に増長している現実が、今日の殺傷・銃撃を含むアジア人全体への攻撃だと感じます。


私の住むカナダでも、アジア人への憎しみから来る攻撃はなんと今年になって800%に近い増加です。

突き飛ばされ、殴られ、罵られ、ツバをはかれ、車で付きまとわれ、近所から嫌がらせを受けと、詳細は吐き気を催すほどです。


犯人は主に白人の男。パンデミックで生活のままならない鬱憤をアジア人攻撃にぶつけているようです。

「中国人がコロナウイルスの元凶だ!」と。

特に、力の弱い年配者と女性が標的にされています。

白人の夫と一緒じゃないと怖くてスーパーにも行けないアジア人女性が多いです。

アジアの顔をした女性というだけでの無差別攻撃ですから、避けようがありません。


最近の、シアトルに住む日本女性が襲われた事件はカナダ、アメリカに住む日本人にも大きな衝撃でした。

明日は我が身と、背筋が凍る思いでニュースを読みました。 

事件のおぞましさもですが、警察の人種差別的対応にも「やっぱり」という思いです。

犠牲者の日本人女性がHate Crimeを訴えるのにも関わらず、証拠不十分とか色々説得され、単なる傷害事件として扱おうとした警察の態度。


カナダでも頻繁に見られる、白人警察官からの白人以外を軽視する態度が透けて見えます。


そのような普段からの警察の白人優位の態度により、アジア人への無差別攻撃を受けても事件を届け出ることそのものをためらうケースが多いと聞きます。

「どうせ馬鹿にされて本気にしてくれない。」「英語が不自由なことを馬鹿にされる。」「白人警察官の傲慢な態度が怖い。」などの声が聞こえます。 

現在、嵐のように暴走を続けるアジア人攻撃は、実はもともとからの社会全体に浸透する人種差別(Systemis Racism)、特に警察内部に深くはびこるSystemic Racismが背中を押していると思います。

私自身の経験からも、ニュースで報道される警察の呆れる態度などから、強くそう思います。

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ニュース1:

パンデミック中のエドモントン。ヒジャブをかぶり電車を待っていたソマリアからの難民女性。

白昼、いきなり白人の男に暴行を受け怪我をしました。彼女だけがターゲットにされたことから、また前日にも同じ用にヒジャブをかぶっていた女性がなぐられる事件があったエドモントン、そして目撃者も多く、これは完全なHate Crimeととして扱われるべきなのですが。 

警察は犠牲者の女性からの訴えそのものを退けようとしました。「単に変なやつがたまたま鬱憤晴らしをしただけだろう。そんなことでいちいち事件にしないでいいだろう。」と説得されかかったとか。


ニュース2:

University of British Columbiaの寮での覗き事件。寮内のシャワールームを使用中の女生徒が、侵入者がビデオを撮っているのを発見。

犯人は同じ大学の学生でした。

その女子学生が告発手続きをしようとしたところ、警察の白人男性警官が「犯人も将来のある学生だし、2度としないと言っているので許してやれ。告発などするべきじゃない。」と脅しにも近い説得をしたそうです。

女子学生は一度は「そういうものなのか」と引き下げたそうですが、次に担当になった女性警官から告発を勧められ、結局犯人の学生は逮捕されるに至りました。 

これは人種というより、女性蔑視、「覗きなんて問題にするなよ」という白人男性からのSystemic な女性差別です。


私自身の経験:

バンクーバーにほど近いNew Westminster. 大阪の留学エージェントが日本で橋にも棒にもかからないゴロツキ高校生を大量に送り込んでいる学区で、日本人同士の凄絶なイジメがありました。ヤクザかと思えるひどさでした。ある留学生が堪りかね、恐喝・暴行を繰り返す首謀者を警察に告発した時のことです。

「高校生の揉め事なんかに関わりあっている暇はないんだ。もっとひどい事件が多くで手一杯。そいつを呼んできて俺が脅せば次から悪い事はしなくなる。告発なんかするな。」と、白人の警官が電話口で大声で怒鳴ったのを覚えています。 

勇気を出した本人は、暴力・恐喝を繰り返すその首謀者がまた野放しにされることに怯え、折角振り絞った勇気も消えかけ、絶望しかかりました。

そこで、私がその傲慢な話し方をする白人警官と対決。何を言ってもすぐに話しを遮り、自分の言い分を通そうとする警官になど負けません。

電話口の向こう側で怒鳴ろうがどうしようが、こっちもずっと犠牲者の立場を主張し続けました。


最後には「これは日本人への差別ですか?なぜ犠牲者の言うことを信用しない?日本人だから?日本人同士がもめようがどうしようがカナダは知ったこっちゃないということですか?日本への差別と理解せざるを得ないです。」と言いました。

その警官はそこで突然電話を切りました。ツゥ〜という音が虚しく響いたのを今でも覚えています。 

そこで、諦めたかって? いやいや。

今度はカナダのどこにこの訴えを持っていこうかと夜と徹して調べた翌朝、その警官が結局訴えを実行に移したことを知りました。

告発をそのまま扱ってくれたわけです。


負けずに声をあげ続けたから? 人種差別か?と論争したから?

多分、両方だと思います。


そこまでしないと、犯罪が起こった場合、カナダでの日本人は白人と同様な扱いをしてもらえないことは非常に残念ですが、「声をあげる」「人種がからんでいると思ったら遠慮せずにracism という言葉を口にする」ことが重要だと思った経験です。

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シアトルで標的になった犠牲者の日本女性がこう語っています。(Yahooニュースより


「私は小さい頃から、礼儀正しく人に親切に、そして謙虚でありなさいと言われて育ちました。不平不満を言うよりも、いまあるものに感謝しなさいという文化で育ちました。ここにいる多くの人たちも同じ価値観を共有していることと思います。」


日本人の美徳ですよね。 謙虚で。

その彼女が、今回の経験を経てこう変わりました。


「私は、もう我慢の限界だと言いたい。私たちはいま、怒るべき時期に来ています。私たちの声を聞くよう要求するべき時期に来ています。そして、正しいことがなされるよう求めるべき時なのです。」


正にその通りです。


特に、英語も不自由なまま何をされてもよく理解出来ない日本からの留学生が心配です。

「悪いことは悪い」「嫌なことをされたら我慢しない」これを徹底する大切な過渡期です。


TIME誌最新号の表紙にもあるように。


We are not silent.

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