- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
“either ~ or” という英語表現があります。
日本では中学で出てくる文法なので、日本の方はみんな「あ〜習った、習った。」と思い出されるかな。 「〜か、または〜」の二者択一です。
英語の“either ~ or” には、実は危険な罠があります。
そして、その罠を実に巧みに利用しているのが、いわゆる「留学エージェント」であることは知っていましたか?
「この2つ学校のどっちにしますか?」
実は、留学希望の本人にはもっともっと適した場所も学校もあるのに、エージェントは限られた選択ししか提示しません。
英語圏に留学したい日本の若者に「留学」の真実を伝え、能力のある若者には確実かつ選択しの多い未来をとUX Englishという「留学のための英語学習サイト」をカナダから運営しています。
そのサイトより、現在「クリティカルシンキング入門講座」を公開中です。
Critical Thinking講座Unit-9に”Don’t Over simplify”という単元が出てきます。
レクチャーの録画中に、”either ~ or”について話しました。
話しているうちに、留学エージェントが使う悪意に満ちた”either ~ or”マーケティングの底深い企みがはっきり形を持ち、おもわずカメラを止め「これかぁ!」と叫んでしまいました。
高校留学でエージェントを訪ねたら必ず騙される“either ~ or”
カナダには数え切れないほどの高校があるにも関わらず、エージェントが勧める選択肢は非常に限られています。
「高校留学」の厳しい現実には一切触れず、リベート契約があり自分たちのリベートが確保される地区のみを勧めます。
「自然に恵まれ、安全でフレンドリーな場所」と誤魔化して。
That’s true. カナダではどこに行っても自然に恵まれています。
安全? 最近のエージェントが勧める地区は危険な場所がほとんどです。
なぜ、留学希望の日本の未成年にそんな危険な場所を勧めるかって?
地元のカナダの親子はそんな危険な地区の学校を避けるからです。
現地のカナダ人親子に人気のない高校は、留学生で数合わせをしています。
フレンドリー? 英語も満足に出来ない高校留学生にフレンドリーな環境は、残念ながら、今のカナダには存在しません。 特にパンデミック禍、パンデミック後のNew Normalでは不可能です。
と、嘘を突き倒してのエージェントの勧誘ですが、なぜか留学予備軍親子は、エージェントがバラ色に提示するたった2,3の選択肢に、疑いも抱かず引き込まれます。
地区内の学校でも「この学校にしますか、それともこっち?」
これまでに多くの相談を受けました。
「エージェントがこの学校を勧めました。どう思いますか?」
ほとんどの場合、「え!そんな場所を勧められましたか?非常に危険な場所で、地元の高校生は近づきませんよ。」と返答せざるを得ません。
「その学区なら、もっと環境も評判もよい高校があるのに、なぜそんな掃き溜めみたいな学校に高い授業料を払ってまで留学させるんですか?」と、驚愕の連続です。
クリティカルシンキングの出来るカナダの人は、幼い子どもでも、“either ~ or” の説明をされた瞬間、疑い始めます。
“Why can’t I have other choices? What are the other choices?”
留学予備軍、そして留学してしまったみなさん、こんな広いカナダで、学校の選択肢がほんの少数しかないなんておかしいと思いませんでしたか?
思わなかったんですよね、おそらく。
パンデミックで粉々に砕けた高校留学後の相談内容にも“either ~ or” にまんまと騙された結果が見事に浮き彫りになっています。
「なぜ、こんな学区を選んだの? 確かに、高校留学はどこに行っても惨憺たる扱いだけど、それにしてもここはないですよ。」と答えたケースが多いです。
他の選択肢も自分から調べようともせず、何の疑問も持たず、エージェントが提示する高校に、高い高いお金を払って大切な未成年の子供を送る。
同じ親として、正気の沙汰とは思えません。
このパンデミック禍で高校留学生の親のとった行動に大きな差が出ました。
最初から自分が調べ、直接交渉し、多くの選択肢の中から悩んで悩んで、カナダにもやって来て実際に見て高校留学を決めた方たちの多くは、見事に迅速な行動を取りました。
次の選択肢もまた自分で調べ、選ぶ行動です。
すべてエージェントにお任せ高校留学をした方は、やはり「掃き溜め」のような学校からは何の特別なケアも得られず、エージェントも役に立たず(雲隠れしたエージェント多数です)結局カナダへの信頼がなくなり帰国。
日本での新たな選択肢探しも、また“either ~ or” の落とし穴にはまる最悪のケースも目にしました。
カナダ高校留学中断した生徒を両手をあげて歓迎する風潮のない日本の環境も最悪ですが、「どこでもいい、受け入れてくれる高校なら」という“either 「どこでも入れる日本の高校 」or「カナダに戻るか」” というどん詰まりの選択です。
他の選択肢への提案も試みましたが、聞く耳持たずの“either ~ or” 病の方がいたことに、またまた絶句でした。
もっと絶句は、未だに“either ~ or” の罠にはまったことを一生懸命否定し、エージェントが選んだ「掃き溜め」高校で留学を続けるという声がかなりあることです。
理由を聞いてみると「日本で戻る高校がないから」だそうです。
それだけが理由で、学校再開も危うく、コロナ感染数が急激に増えてきているカナダ、パンデミックで経済も社会も大きく変わってしまい、アジア系外国人への攻撃が異常に増えているカナダ、外国からの未成年など面倒をみる余裕のないカナダに放り出す。
“either ~ or” 病だと診断せざると得ないです。
“either ~ or”行動の結末が9月以降表に出てくると思っています。
カナダから「もうどうしていいかわからなくなりました。」
日本から「パニックになり編入高校を決めたけど、やっぱり無理です。」
などなど。
どんな問題にもたくさんの選択肢があることを丁寧にお話したいと思っています。
No Exit(出口なし)状態に陥った高校生のみなさん、一緒にクリティカルシンキングを使って解決法を探ってみましょう。
必ず、前に進めるはず。
え!そんな解決法がある?と思った方は。
Critical Thinking レッスンを試してみてください。
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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