トイレットペーパー不足より深刻なトイレ不足?
コロナウイルスの影響で中国にある生産拠点はなかなか稼働する見込みが見えない昨今。
巷ではマスクに続きトイレットペーパーが不足するというデマで品薄状態が続いている。
このトイレットペーパー不足は製品自体が国内生産のため、いずれ品薄は解消されるが、トイレ自体が不足するという事態起き始めている。
住宅設備の中でも中国に頼るモノは多くあり、いわゆるシャワートイレやIHクッキングヒーター、ユニットバス、洗面化粧台などはメーカーが受注を受付していない状態となっている。
この年度末に完工する建築現場ではどうにか発注済みのために納期は問題がなさそうなのだが、4月、5月の時期に完工する現場では住宅設備機器が発注できない状況にある。
そうなると、当然ながら工事はできないわけで、完成はかなり遅れるという話をここにきて頻繁に耳にする。
住宅設備の不足は先ほどのウオシュレットなどに加えて、エアコンやフローリングや建具などの建材全般までに及ぶようになっている。
こうした状況では、これから工事着手する建築現場では相当な工事遅延が起こる可能性が高い。
新築の住宅はもちろん、ホテルなど宿泊施設やマンションも内部の工事ができずに工事が一時中断という現象が起きるだろう。
そんな状況で建築業者はホームセンターなどで住宅設備を買いまくっている。
例えば、メーカーや仕様は指定できないが、シャワートイレの機能があればそれで確保するというのが現状だ。
リフォーム工事も同様で工事受注はしたものの、該当する住宅設備が注文できずに当面、リフォーム工事もできないということになる。
となれば、トイレットペーパー不足は解消されても、トイレ不足はしばらく解消されそうもない。
また、これから夏場にかけては、エアコンの需要が増加するわけだが、現状では国内の在庫が頼りで、この在庫がなくなった後はかなり厳しいと予測されている。
夏場にエアコンをつけたいとか買い替えしたいと思っても、今の現実はかなり不透明感が強い。
株価下落に伴う不動産価格は今後どうなるのか?
ご承知の通り、このところの株価下落は相当なもので、コロナショックは相当な打撃を各方面に与えている。
こうした株価下落に伴い、不動産価格も下落するのではという声もチラホラ聞くようになってきた。
過去の不動産価格の下落を鑑みると、株価下落と同時に起こることは考えにくい。
不動産価格への影響はこれからの話で、リーマンションの際にも不動産価格への影響はタイムラグがあった。
不動産はどうしても流動性が低いという特徴があることから、株のようにはすぐに売り買いができない。
東京オリンピックの開催も危うい環境になりつつあるが、不動産の価格も下落傾向になる可能性が高い。
先日、都心のマンションギャラリーに勤める受付の方に話を聞くことができた。
今年の1月は中国人の方も含め、多くのお客様が来場されて活気があったが、2月中旬以降はパタリと客足が途絶え、この3月に入っては土日の休日でも来場者ゼロという状況のようだ。
消費マインドもかなり落ち込んでいるので、この先の状況は厳しい現実が待っていそうだ。
特に、不動産の完成在庫をかかえる中小の不動産業者や工務店は売れないと資金回収すらできないため、会社自体が持たない可能性がある。
年度末を迎え、できる限り物件を販売してお金に変えたい業者は新築でも相当な値引きをして販売しているところもある。
買い手にとっては値引きというメリットはあるが、この先の自分自身の仕事や家族の状況が見通せない中、果たしてこの時期に不動産を購入することがいいかどうかはその買い手次第だろう。
早く新型コロナの終息を願いたいものである。
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このコラムの執筆専門家
- 寺岡 孝
- (東京都 / お金と住まいの専門家)
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