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市原 真二郎
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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10代の精神疾患

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「10代」「思春期」
それは「疾風怒濤(しっぷどとう)」と形容される時期です。すなわち、心身ともに子どもから大人へと成長する最中「激しい風が吹き荒れ、大きな波が荒れ狂うような」体験を誰しも少なからず送るものです。身体的に、女性は10歳頃から月経がはじまり、男性は12歳頃から精通がはじまり、お互いに異性に関心を持ち始めます。心理的に「自己」や「自我」が確立し、今後の進路や職業などを熟慮・検討するようになります。


「疾風怒濤」は自然に収まるものですが、そうでない場合もあります。嵐や波が続いたり、雨や雪が降り続いたりすることがあるのです。前者は「幻覚(げんかく)・妄想(もうそう)」、「躁(そう)」、後者は「鬱(うつ)」という精神症状に相当します。

「幻覚」とは見えるはずもないものが見えたり、聴こえるはずもないものが聴こえたりする症状です。「幻聴」という、聴こえるはずのないもない声が聴こえる症状が多く、特に自分の悪口を言われる「被害妄想」を伴う場合が最も多いです。「ムンクの叫び」という絵画はまさにこの症状を表した作品です。



「妄想」とは現実にありえない考えを抱き、他者がいくら訂正しようとしても、決して変わらない考え方を表した症状です。上記のような「自分は嫌がらせを受けている」という「被害妄想」が多いのですが、反対に「自分は皇室の血を引いている」といった「誇大妄想」を抱く場合も時々あります。

「幻覚・妄想」は「統合失調症(とうごうしっちょうしょう)」という精神疾患により起きる症状で、10代後半から20代前半が「好発年齢(こうはつねんれい)」、最も生じやすい年齢ですから、もしもそのような症状が本人・友人らに認められたら、速やかに精神科へ受診しましょう。なお、アカデミー作品賞「ビューティフル・マインド」「統合失調症」に罹患しながら、ノーベル経済学賞に輝いたジョン・ナッシュを描いた作品です。



「躁」は元気の良過ぎる状態、「鬱」は全く元気ない状態です。いずれも病的な状態で、問題を生じます。躁状態は一見、調子が良いようですが、次第に怒りっぽくなったり、お金遣いが荒くなったりして、後で悔やまれます。鬱状態は眠れなくなったり、食べられなくなったりして、仕事にも生活にも支障を生じます。政治家や芸能人など人並み外れた仕事をする方に、実は「躁鬱病」だったという方がいらっしゃるもので、晩年に「カミングアウト(公表・告白)」されることがあります。

   

10代・思春期の躁鬱病の特徴は、「若年発病(じゃくねんはつびょう)」ということで、「遺伝素因・家族歴」が陽性であることです。すなわち両親や兄姉などに同病の方がいらっしゃることが少なくないということです。ご本人はご存知ないこともありますが、ご両親に後からうかがうと、そのような事実を確認することがあります。

「躁鬱・混合状態(躁と鬱が混じった状態)」を呈することも多く、「過眠(眠り過ぎ)・過食(食べ過ぎ)、易刺激的(些細な刺激でイライラ・ピリピリする)、鉛の様な怠さ」といった「非定型・鬱病」の病態を生じます。どうしてか女性に多く、「私は『うつ依存症』の女」という映画はこの病状を表現しています。


最後に、「リストカット/自傷行為」でも紹介しました「境界性パーソナリティ障害を再掲しましょう。アメリカ精神医学会によりますと「対人関係、自己像、感情などの不安定および著しい衝動性を特徴とします。見捨てられることに対して敏感で、そうなるのをなりふりかまわず避けようとします。他者を過剰に理想化したかと思うと同じ人物をこき下ろすという具合に、その対人関係は極端で不安定です」と定義されています。幼少期からの親子関係や家庭環境に端を発しておりますが、10代・思春期から問題行動は顕在化します。治療は長期間のカウンセリングを要しますが、頑張りましょう。「17歳のカルテ」がお勧めです。



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