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閲覧数順 2018年09月23日更新

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発達障害の二次障害、特に「パーソナリティ障害(人格障害)」について

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発達障害

これまで「自閉症スペクトラム障害」をはじめ「発達障害」についてご説明してきました。ただし、実際臨床の現場において問題となるのは「二次障害」と言われる「発達障害」を起因として生じた、精神疾患、具体的には、不眠・不安・抑うつ、時に幻覚・妄想、さらに「パーソナリティ障害(人格障害)」です。

すまいるナビゲーターより

不眠、不安、抑うつなどは薬物をはじめ対処療法にて、比較的、速やかに消退します。しかし、幻覚・妄想、さらに「パーソナリティ障害(人格障害)」となりますと、いわゆる「重度かつ継続」した病態に相当することが少なくありませんから、「計画的・集中的な通院(時に入院)治療」を要します。


具体的に下記のような事例が多々ございますので、参考にしていただきましょう(個人情報は本人が特定されないよう改変済みです)。

35歳、男性、契約社員
一次障害:自閉症スペクトラム障害・注意欠陥多動性障害
二次障害:自己愛性パーソナリティ障害

幼少期からひきこもり・こだわりの傾向あり。また、落ち着きなく、家族や教師から注意を多々受けてきました。このため、本人の自己効力感・肯定感などは低下、その代償としてか、思春期より「誇大的な自己」を抱くようになり、「自己愛性パーソナリティ障害」の診断基準を満たすようになりました(DSM-5/アメリカ精神医学会)。青年期以降、他者とのトラブルが相次ぎ、大学中退、就労は継続せず、契約社員を転々としている状況です。

「自己愛性パーソナリティ障害, DSM-5」とは

誇大性(空想、または行動における)、賞賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人期早期に始まり、種々の状況で明らかになります。

次のうち5つ(またはそれ以上)によって示されます。自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待します)。

1. 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれています。
2. 自分が特別であり、独特であり、ほかの特別なまたは地位の高い人達に(または施設で)しか理解されない、または関係があるべきだ、と信じています。
3. 過剰な賞賛を求めます。
4. 特権意識、つまり特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待します。
5. 対人関係で相手を不当に利用します。つまり自分自身の目的を達成するために他人を利用します。
6. 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしないです。
7. しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込みます。
8. 尊大で倣慢な行動または態度。

男性の「自己愛性パーソナリティ障害」は「自閉症スペクトラム障害」の二次障害であることが少なくないようです。具体的に「オタク」と呼ばれる方々の多くにその傾向が認められるようで、自分の空想で「誇大的な自己」を発展し、時に、他者とのトラブルに至り、「事例化」に至るようです。実際に高度な能力を所持されている方もいらっしゃり、その際は業績と相反し、周囲との齟齬を生じてしまうようです。


28歳、女性、アルバイト
一次障害、自閉症スペクトラム障害
二次障害、境界性パーソナリティ障害


幼少期からひきこもり・こだわりの傾向あり。ただし、女児であったためか、注意欠陥多動性障害の診断基準を満たほどではありませんでした。しかし、両親は姉妹・兄弟と育てにくさに苦慮して、愛情不足に陥っていた様子が鑑みられます。いわゆる「愛着障害」の結果、両親の愛情を求めることの代償としてか
、特に異性間のトラブルが相次ぎ、生活・就労は不安定となり、最終的に、自暴自棄となり、自傷行為に及んでいる次第です。いわゆる「境界パーソナリティ障害」の診断基準を満たすと考えられます(DSM-5/アメリカ精神医学会)。


「境界性パーソナリティ障害, DSM-5」とは

対人関係、自己像、感情などの不安定および著しい衝動性の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになります。次のうち5つ(またはそれ以上)によって示されます。

1. 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力。
2. 理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式。
3. 同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観。
4. 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食いなど)。
5. 自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し。
6. 
顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は 2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)。
7. 慢性的な空虚感。
8. 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかを繰り返す)。
9. 一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状。

いずれのパーソナリティ障害も、20-30年以上前から指摘されてきたことですが、ここ5-10年は発達障害の二次障害として指摘されています。パーソナリティ障害はいわば「家族歴・生活歴」に起因する疾患ですが、発達障害は「遺伝素因」に起因すると考えられている疾患です。このため、治療方針が根本的に異なります。パーソナリティ障害障害は精神療法をはじめとする、「心理・社会的治療」が中心となり、長期間を要し、難治性と考えられています。発達障害は遺伝素因を起因とし、「薬物療法」が「短期間」で奏功することも少なくありません。

つきましては、これまで一次障害として認識されてきた疾患の背景に「発達障害」のあることを想定し、改めて適切な診断・治療を検討されることが望まれる次第です。

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