- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
アメリカへの交換留学団体は一体何を考えてこんな状況に日本の未成年を送るのでしょうか。
日々増え続ける相談です。
それも、留学前から(出発直前でもホストが決まらない!)到着後すぐ(来てまもないのにホストとトラブル、などなど)のご相談が多くなりました。
アメリカへの交換留学、飽和状態を通り越して崩壊寸前だと感じます。
アメリカで交換留学中、困っている方はどんな些細なことでもいいですからご相談下さい。
泣き寝入りはしないように。
【質問】
私は今高校1年生でアメリカに1年間交換留学中です。
ホームステイ先に着いてから1週間半が経ちました。
昨日、ホストマザーに「なんでお前は家族とコミュニケーションを取らないんだ、私達は下宿先ではない。家族なんだ、もっとコミュニケーションをとって英語を上達させないと留学した意味が無い」と叱られてしまいました。
本当に彼女の仰る通りです。
私は英語が下手なのでコミュニケーションをとるのはとても大変なのですが、私だって沢山ファミリー達とお話したいです。
しかしコミュニケーションを取ろうにも、ホストマザーやホストシスター達に話しかけてもあまり返してくれず会話が弾みません。 だから結局怖気づいて1人でいる時間も増えてしまいました。
毎日きちんと5回以上はちゃんとしたコミュニケーションをとろう、と考えて実際に毎日実行しています。
また、ホストファミリーに「今日どうだった?」や「このご飯気に入った?」と聞かれた時はきちんと「Yes No」の他にセンテンスで笑顔で返していますし、おはようとおやすみの挨拶も欠かさず笑顔でしています。
それでもとても怒られました……。
「さっきご飯を食べていた時はホストシスター達と沢山会話していました」と1度は言い訳もしてみたのですが信じてもらえませんでした…。
このホストファミリーはホームファミリーといってもウェルカムファミリーでどうやらホストマザーは今私をホストしてくださるファミリーを探しているらしいです。(ホストマザーは留学団体のスタッフなので、、)
なのでホストチェンジはできません。
私は四六時中ずっとファミリーに話しかけることを目標にした方が良いのでしょうか??
私は留学生になるには向いてなさすぎたのでしょうか…。
ホストファミリーに嫌われていたらと思うと辛くて泣きそうです。
目標を達成するために頑張ろうと思って留学を楽しみにしていたのに今の自分が情けないです…。
【回答】
日本とは全く逆の異文化・異言語のアメリカで困っている様子が目に浮かび、こちらまで悲しくなりました。
到着後1週間では、まだまだ周りの新しい環境にワクワクし楽しい1年間を期待している時期のはずなのにと。
カナダ在住、カナダで日本からやって来る優秀な高校・大学生の支援を30年近く行っている立場からアドバイスさせていただきます。
1)まず最初は、今のあなたの置かれている交換留学という状況
アメリカへの交換留学は飽和状態を通り越した分解寸前の状態です。
(たくさんのコラムに「アメリカ交換留学」の問題を書いていますので、ぜひお読み下さいね。)
おそらくあなたを送り込んだ団体からは、そのような説明はなかったと思いますが、特にホームステイが崩壊しています。
ホストが足りず、留学団体スタッフ、留学先の学校教師などが最終的に引き受けざるを得なくなるのは今では常態化している問題です。
また、そのようなホストとトラブルになった場合は「帰国させるぞ」と脅されるケースも頻発しています。
次のホストがいないことを隠したいのか、それとも立場の弱い留学生に鬱憤をはらしたいのか。
いずれにしても、外国から来た未成年を扱う常識から大きく逸脱しています。
2)アメリカ人の特性
一般的にアメリカは感情を表に出すことをよしとする文化で、感情を出さない文化の日本とは全く逆の位置にあります。
英語も直接的にぶつけてきますので、日本人にとっては「キツい」と思うことも多々あります。
(カナダ人とは全く異なりますよ。 カナダの方はむしろ日本人に近く、まず相手の感情をおもんばかります。)
特に最近は、トランプの影響で、白人が有色人種(日本人も黄色と言われますね)に対してますます傲慢な態度、物言いをするようなアメリカになってしまいました。
昨日も、高校のフットボール部への資金集めの個別訪問をしていた黒人高校生が、白人女性に銃で脅され腹ばいにされ危うく撃ち殺されるところでしたね。
ひどいです。
そんなアメリカ人の英語での叱責が、特に日本人のあなたには強く感じられたのだと思います。
3)今後の対処法へのアドバイス
ストレートで傲慢な英語でぐいぐい来るアメリカ人に対処するには、あなたもはっきりと自分の言いたいことを主張することしかありません。
おとなしくしていればつけあがるいじめっ子のようなものです。
ただし礼儀正しい英語と、マナーは忘れずに。
外国語の英語で、年上で英語話者のホストマザーに言い返すのはとても難しいと思いますが、このステップを乗り越えない限り、この1年の交換留学体験は「自分が悪い、自分が悪いと、殻に閉じこもり自己評価を下げてしまう」ことにもなりかねないですからね。
ご相談内容から察する限り、とても素直に頑張れる素質をお持ちだと思います。
あとは、勇気を出して前に出ること。
留学生にだって「話したくない」日もありますし、学校が始まると勉強で忙しくなります。
ホームステイというのは四六時中ホストと話をすることを意味するものではないことも、認識しておいて下さい。
ホストの家のルールを守りつつ、自分のペースを作り、学校やアメリカ社会を目一杯体験することがあなたの「交換留学」の目的のはず。
控えめでがんばり屋の日本人の良いところも見失わないよう、アメリカで存在感のある体験をして下さい。
またいつでもご相談下さい。
カナダから応援していますよ。
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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