- 上津原 章
- 上津原マネークリニック お客様相談室長
- 山口県
- ファイナンシャルプランナー
-
0820-24-1240
対象:家計・ライフプラン
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
ふとテレビを見ていると、
ご主人が真面目に稼いだ給料から奥さんの口座にお金を移し続け、ご主人の定年退職をねらって熟年離婚を企てていると思われる奥さんの話がありました。
このようなことをテレビで伝えてしまうのはいかがなものかと感じました。とはいうものの、ご主人がご夫婦の将来設計について無関心であることも問題があると感じます。奥さんがご自身の口座にお金を移したのは、家計管理のプレッシャーからか、老後について奥さんが不安に感じたからかもしれません。家計の管理者は奥さんであっても、最終責任者はご主人です。
では、このような場合、奥さんは幸せな一人暮らしができるのでしょうか。
総務省の家計調査(平成29年度年次速報)によると、
60歳以上の高齢者単身世帯の毎月の収入は、11.4万円。
対する支出は15.5万円(介護保険料等非消費支出含む)となっています。
収入と支出との差額は毎月4.1万円。年間では49.2万円といったところです。
平成29年の人口動態統計によると、
初婚年齢は、ご主人31.1歳、奥さん29.4歳となっています。
ご主人がしっかり稼ぐことができる60歳までの年齢はおよそ29年です。
29年間、仮に毎月5万円ご主人の給料から奥さんの口座に移すと、その合計額は5万円×12か月×29年=1740万円。
口座に移した1740万円を、毎月4.1万円ずつ計画的に取り崩すと、
およそ35年でなくなってしまいます。
なお、この計算には、65歳までの無年金期間は一切考慮していません。無年金期間に働かず何となく暮らしていると、およそ22年で貯蓄が底を突くことになります。(15.5万円×12か月×5年+4.1万円×12か月×17年=1766万円)
平均年齢よりも若くしてお金がなくなるので、奥さんがお金を少しずつ自分の預金口座に入れて離婚するのは、割に合わないことが分かります。
弊社のお客様にも離婚を前提とした資金計画を立てたことがありますが、
結果は今試算したようにあまりよくないものでした。ご夫婦の努力で良好な状態を保てるのであれば、それが老後も含めた将来の不安の解消につながるのではないでしょうか。
たとえ離婚後の年金分割がうまくいったとしても、ご夫婦の支出は一人になったからといって半分にはならないのです。
このコラムの執筆専門家
- 上津原 章
- (山口県 / ファイナンシャルプランナー)
- 上津原マネークリニック お客様相談室長
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