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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月19日更新

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カナダ留学のこれから - [新しい留学の形]その3・高校正式留学

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留学 大学・高校正規留学

大きく変化する世界情勢、科学技術の加速度的進歩に対処するための「新しい留学」の形をシリーズでご紹介しています。


カナダの高校正式留学ー卒業資格を得る留学

カナダの高校卒業資格を正式に取得するための留学は、成功率の非常に低い難関です。
何年生で何歳でカナダに来ようとも、現地の生徒と同じ必修コースと単位を取らなければ正式な卒業資格(Diploma)はもらえません。

卒業に必要な単位内容、単位数は州により異なりますが、難易度は同じです。

例えばアルバータ州の場合、最小限度の必要単位は下記の通りです。
(大学進学の場合、各大学からそれ以上のコース内容、単位数を求められることも普通です。)

・必要単位 100 credits (この中には必ず下記コースを含むこと)

・English Language Art 30 レベル (30-1, 30-2 と分かれており 30-1 の単位がないと大学には入れません。30-1 は非常に難しいコースです。)

・Social Studies 30 レベル (同じく30-1, 30-2 とあり大学進学者には 30-1が要求される場合が多い。)

・Mathematics 20 レベル (大学のサイエンス系のコースを取るためには 30 レベルが必要。)

・Science 20 レベル (同上)

・Physical Education 10

・Career and Life Management

・他の選択科目の中から10単位



中学までクリティカル・シンキングの基本的訓練を受け、生まれた時から英語で育つ生徒たちと同じ授業を受けられるレベルでないと卒業は出来ません。

日本から留学し英語圏の大学を目指す場合、カナダの中でも優秀な生徒たちの取るコースを終了しないと大学進学資格がありません。

日本の大学に帰国子女として入学予定の場合でも、上記30-1レベルがかなり重要視されているようです。(どうでもいい私立大学に行く場合は別ですが)


カナダの高校卒業資格取得には日本での準備が必須


結論として、日本からの高校留学生が正式なカナダの高校卒業資格を得ることは非常に難しいことだと判断して下さい。

達成するために絶対必要なのは、中学時代から時間をかけて準備することです。

【英語の文法の基本理解、エッセイの書き方、本の読み方、クリティカル・シンキングを使う論理的分析方法、Scientific Methods の習得、社会性、自立性、大人並みの常識など】


留学後もアカデミックサポートは必須です。

特に最初の年は、個々のレベルに合わせ、宿題のやり方、授業への対処などの日々のアドバイスが欠かせません。


それがないと、受け入れ学校側は「英語の出来ない子」というより「アカデミックコースについて来れない子」というレッテルを貼り、外国人だけのESLコースに入れたり、小学校レベルのコースに入れたり、適当に座っているだけのArtやComputerのコースに入れたりしてしまいます。

元々日本からの留学生は「英語が出来ない」「もともとの日本の学校での成功者ではない」「とりあえず経験しに来ているだけ」「送り込んだ業者も親も学業成績には無関心」という先入観に染まっていますので、そのカテゴリーから抜け出すにはかなりの後押しが必要となります。

残念な先入観ですが「登校拒否」「親の見栄」「日本でうまくいかないので留学でもさせよう」「生徒集めの私立高校がとりあえず何もしないでいいから行ってきなさい」と送られた日本人高校生がせっせと作った先入観です。


そんな状況の中でカナダのSchool Boardや学校に「あなたの生徒をもっと送って下さい。質が余りにも違う!」と言わせるサポートはかなりの重労働です。

不思議で仕方ないのですが、どの業者のサイトを見てもアカデミックサポートは無視、親も無関心。

日本ではせっせと塾通いをさせるのに、もっともっと難しいカナダでの勉強は放ったらかし。

28年間首をかしげ続けた現実です。


成功する可能性の高い高校生


28年間の高校生サポートで、カナダの高校卒業Diploma 取得した生徒たちは皆下記の要素を兼ね備えた生徒でした。


1.精神的に大人

2.自己動機付けできる

3.日本の中学の成績が高い (英語が好きかどうかなどは関係ない)

4.創造力がある

5.留学への明確な目的がある

6.親が過保護でない


留学は勧められない高校生


1.精神的に幼い

2.常に周りからのプッシュがないと動機付け出来ない

3.日本の中学の成績が普通かそれ以下

4.創造力欠如

5.親が子供を留学させたがる

6.親が常にしゃしゃり出る


途中脱落の原因はこの6つに凝縮されると言っても過言ではありません。

余談ですが、興味深いパターンも発見しました。

いわゆる似非インターナショナルスクール出身者は成功率が低いです。 日本にもかなりあるようですし、マレーシアやタイなどにもインターナショナルスクールは「おいしいビジネス」として存在するみたいです。

英語?出来ません。 基本や常識も欠けていることが多い割に、本人も親も「インターに行ってます」という自意識が強すぎてすべての面で前に進めません。

一番悲惨なケースは、小さな時から親がお金に任せて色々な学校を渡り歩き「うちの子は特別」と育った子。


と、口にするとこう聞かれます。

「留学を勧めているんですか? それとも勧めてないんですか?」と。


答えはいつもこうです。

「原則的には高校留学は勧めません。 まだまだ親元で親の影響が必要な年齢です。 ただし、上記『成功する可能性の高い性格』であればサポートに乗り出すことにしています。」

業者と親にぽいぽい送られて来る悲惨な高校生の流れを止めたいと、2004年には「留学せん事(するな)」という本をパートナーのカナダ人と共著しました。

未だに変わっていないことに心を痛めています。


カナダで迷子になっている高校生は随分いるでしょうね。

上記『成功する可能性の高い性格』を備えながら、カナダ全土に広がる「日本人留学生はレベルが低い」という先入観と孤軍奮闘している高校生もいるでしょう。


現在カナダ在住という強みを使い、そんな高校生の悩みを聞いたり、School Board との再交渉に乗り出したり、アカデミックアドバイスをしたりの活動も始めました。

「え〜!そんなことも知らずに来たの?」というケースに愕然とすることばかりです。


現在日本で高校留学を考えている、特に親のみなさん。

じっくり再考し、大学からの留学に備え準備をさせてあげる道もあることを、忘れないで下さい。


カナダの高校卒業を目的とする留学は、それほど難しいことだと認識していただけると幸いです。

追記:短期1年の高校体験は、来ている日本の高校生を見、周りの評価を聞く限り、お金と時間のムダだと感じます。


Good Luck!

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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