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対象:心と体の不調

みき いちたろう
(心理カウンセラー)

閲覧数順 2017年11月24日更新

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6月病とは

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新うつ病

5月病は、みなさんご存じでしょう。新年度に仕事や学校、転居などで環境が変わり、最初のうちは緊張して頑張っていたものの、ゴールデンウィーク明けごろに気分が落ち込み疲れやすさを感じるようになる症状のこと。環境が変わった当人だけでなく、主婦も家族の生活リズムの変化に伴い、エネルギーを消耗し、同じように5月病になる人が多いのです。

それでも、これまでは6月になり新しい生活が落ち着くと症状が緩和する人が多かった。それが近年では、その状況が変わってきています。生活リズムはつかめても、学校や職場の嫌なところが見えてきて「こんななずではなかった」と落胆したり、人間関係がうまくいかずに悩んだり、具体的な問題が浮き彫りになってくるのでしょう。真面目な人ほど、「しっかり頑張らなければ」と自分を追い込んでしまい、心身の不調が収まらず、6月の梅雨という気候も影響して、一気に気分が落ち込んでしまうようです。このような状態を〝6月病〟と位置づけ、医学的には適応障害の一つとされています。

そもそも6月は、雨や曇りで太陽の光が遮られ、1年のうちでもっとも日照時間が少ない時期。日照時間が短いと、心のバランスを整える脳内神経伝達物質・セロトニンの分泌が減少し、うつ病などの精神疾患にかかりやすくなるのです。

人は体内時計の指令によって、日中は活動し夜間は休息するリズムで生活していますが、朝の光をしっかり浴びることができないと、体内時計のリズムが乱れ、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。

実際、東北・山陰地方での自殺率が高いのは、日照時間が少ないことが影響していると指摘されているのです。また、日照時間の少ない冬に発症し、気候のさわやかな5月ごろに自然に回復してくる「冬季うつ病」という病もあります。逆に、うつ病や睡眠障害の治療には、光を浴びる「光療法」を用いることもり、光が気分に作用していることは明白です。

ただでさえ湿気が高くジメジメし、日が差さない不快な時期にもかかわらず、6月は1年のなかで唯一、祝日のない月。5月病を引きずったまま、ゆっくり休めない6月は意外に負担の大きい時期だということを認識しておいたほうがよいでしょう。

適応障害は頑張る人ほどなりやすい

6月病のおもな症状は、頭痛、抑うつ、不眠など。最初は、何となく疲れがとれない、気分が落ち込みがちという程度だったのが、次第に物事に集中できなくなり、今まで楽しいと思っていたことに喜びを感じられなくなってしまいます。問題解決力が低下し、いろいろなことが滞りがちになると、自分に対する自信も失い、最終的には「自分は役に立たない人間だ」などという自己否定の感情がわいてくるのです。

イライラしているうちは、まだエネルギーがある証拠。活発な活動を促す脳内神経伝達物質のアドレナリンやノルアドレナリンが充足している状態です。うつ状態になると、イライラする元気もなくなって、外出も億劫に。家に閉じこもりがちになっていきます。

この症状に陥りやすいタイプは、まじめで几帳面な人。何事もきちんとしなければ気が済まない完璧主義が多く、体調が悪くても休んだり、手を抜いたりすることができません。周囲の人に助けを求めることもせず、いろいろなことを自分ひとりで抱え込んでしまいがちです。こうした人は、新しい環境に適応しようと頑張りすぎて、適応障害を起こすリスクも高くなります。

ゴールデンウィークといっても、サービス業や主婦など、普段よりかえって忙しい人も少ないでしょう。5月の連休が明けたあと、さらに頑張り続けた挙げ句、6月に入る頃には、くたくたになってしまう人も多いのです。

誤解されやすいのですが、適応障害は環境に適応できない弱い人がなるのではなく、適応しようと頑張って、もうこれ以上頑張れないというところまで無理をしてしまった人がなる病気です。心身の不調を感じたら、まずは休養するのが鉄則。決して、できない自分を責めないこと。今は自分の心が弱っている時期だと認めてあげるようにしてください。

規則正しい生活をして没頭できる趣味を持つ

心身の不調が深刻化する前に、早めに異変に気づくためには、自分を客観的にみることが重要ですセルフチェックリストを使って、思い当たることがないかどうか確認してみましょう。とくに集中力や問題解決力が低下すると、家事や仕事がスムーズにはかどらなくなってきます。そこで「自分はダメだ。怠けていてはいけない」と追い詰めないこと。むしろ、「自分は十分に頑張ってきたのだから、少し休んだほうがいい」と、自分を甘やかすことが大切です

セルフチェックリスト

http://www.ginzataimei.com/case/self_check.html

家族や同僚など周囲の人に対しても、「きちんとやりなさい」と責めるのではなく、「疲れているのでは?」とねぎらいの言葉をかけてあげるようにしましょう。

適応障害になると、5年後には40%がうつ病に移行するというデータもあります。うつ病が重症化すれば、休養は1日や2日というわけにはいかず、数ヵ月、数年に及ぶことになりかねません。ですから、初期段階での適切な対処が大切なのです。

セルフチェックの結果、4点以上の人は、かなり無理をしている状態。早めに精神科や心療内科を受診しましょう。2~3点の人は注意が必要な状態です。積極的に休養をとようにしてください。

基本は、規則正しい生活を目指すこと。睡眠は7~8時間が目安ですが、年齢に伴い必要とされる睡眠時間は徐々に少なくなっていきます。日中に眠気がなく過ごせるくらいの睡眠時間が、最適と言えるでしょう。

また、多くの人がこの時期のエアコン使用を控えがち。本格的な夏ではないというのが理由のようですが、それよりも快眠を目指す環境作りのほうが大切です。除湿モードにセットして、寝室の温度と湿度を上手に調節しましょう。

寝る前には、テレビやスマホを見るのを控え、照明を落としてリラックスタイムを。眠れないまま布団の中にいると、心配事ばかり頭に浮かび、よけいに眠れなくなるという悪循環に陥ります。ですから、どうしても眠れないなら、いったん布団から出て、自然に眠くなるまで待つのをおすすめします。寝付きが悪い人は、遅寝・早起きを試みることで、熟睡できるようになるでしょう。

体内時計をリセットし、腸の働きを促すためには、朝食も不可欠。腸の動きを促し、環境をよくしておくことが体調管理には重要なのです。

ストレスがたまってつらいときは、周囲に助けを求めましょう。真面目な人ほど、一人で問題を抱えがちです。しかし、ギリギリまで我慢せずに、誰かに相談に乗ってもらうようにしましょう。人に話すことで、物事を別の角度から見られるようになり、気持ちが軽くなることも多いものです。

ストレス解消のため、週に1~2回は、趣味など自分の好きなことをする時間をつくるのもよいでしょう。自分が楽しい、心地よいと思えるものであれば、何でもかまいません。一般的には、いつも自分がしている行動の真逆のことをすると、気分が晴れてよいと言われています。普段あまり動かずデスクワークの多い人は、運動で汗を流すとリフレッシュできるでしょうし、逆に家事が忙しい、あるいは体を動かしているという人は、読書や手芸がいいかもしれません。写経や最近、再びブームになっている大人の塗り絵なども、集中でき雑念が消えて、あれこれ悩まない時間ができるため、気分転換には最適です。もちろん、一人で何かにトライするだけでなく、共通の趣味をもった人たちと交流する機会をもてば、楽しみが共有できてさらにいいと思います。

ただ注意したいのは、食でストレスを発散すること。確かに甘い物を食べるとセロトニンの分泌が促され、幸福度が高まるとは言われていますが、食べ過ぎになると問題です。たとえば、シュークリームを5個も10個も食べてしまい、罪悪感に苛まれて後で吐くようになると、これはもう摂食障害という病気。ストレス解消で食べるときは、ふだんは買わない高級スイーツを1つだけ奮発する、少しだけ上等な肉を買う、おしゃれしてレストランに行くなど、量よりも質で満足感を得るのがポイントです。気の合う友人とおしゃべりしながら食べると、食べ過ぎを防ぎ、気分転換にもなるでしょう。

梅雨が明ければ、厳しい夏がやってきます。心身の不調を夏に残さないためにも、いまの季節に無理は禁物。自分の状態を客観的にチェックして、早めのリセットを心がけてください。

構成◎中山あゆみ 助言◎茅野分/婦人公論6月28日号より

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