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カナダ留学専門家・英語教育者

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対象:子供の教育・受験

広瀬つみき
広瀬つみき
(2歳3歳専門の子育てアドバイザー)
原田 将孝
(塾講師)

閲覧数順 2017年10月17日更新

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英語の学習にのみ現れる「学習障害」

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Educational Psychology

「英語の学習障害」についてご相談をいただきました。
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現在中1の子供についての相談です。

幼い頃にADHD(不注意優位型)と診断され小学校から勉強全般に困難を感じています。
専門家にも相談しながら学習方法を模索してきましたが、中学入学後、英語で大きな壁にぶつかりました。
アルファベットを発音すること、書くこともひと苦労。 単語も発音できない、綴りが覚えられない。 従って英語の文章の読み書きができません。
(聴覚からの英語だと多少理解が簡単なようです。)

 

塾、フォニックスなど試しましたが効果がありません。
現在は、学校で頻繁にある単語の小テストで困っています。
いくら一生懸命練習しても綴りが頭に入りません。

 

学校の英語の先生には発達障害だと説明しても「英語はみんな同じところで引っかかるものだから一人だけ特別扱いはできない。」と理解してもらえず、小テストでは結果の悪さに「本当に勉強してきたのか」と疑われ、子供は絶望しています。

 どうしたらよいのか途方に暮れていたところ、大澤先生の Big John Mathという学習方法を知りました。

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 「英語だけに現れる学習障害」についてのコラムを多数書いています。 

英語言語のインプットを処理する脳の部分と、日本語言語の部分とは異なるとの研究に基づいた理論を説明したコラムです。


ご相談の内容では「英語だけ」というより広範囲な「学習障害」だと考えられます。

その場合は、残念ながら私の知識経験の範囲を超えるご相談になります。


また、実際に子供さんと接したことのないまま、回答することはかなりの一般論となりますので、その点をご理解の上お読みください。


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Big John Math シリーズは、日本の子供の脳に「英語領域」を作るコンピュータープログラムです。

回答内容に密接な関係がありますので、まずは Big John Math の特性を説明致します。


従来ある日本式の英語学習法(暗記、訳読)などでは、脳が母国語である日本語の部分を使い、英語の情報を受け取ってしまいます。

日本語で育った脳には、日本語部分しか言語を処理するところがないからです。


例えば、”r” の音を聞いても、日本人の脳にはその音を理解する部分が存在しないので、入ってきた英語の “r” が自動的にラ行の音に変換されて理解されてしまいます。


ですから、今度 “r” の音を出そうとした時にも、日本語のラ行の音を出す命令を脳が出してしまいます。 正確な “r” を出すためには、どの発声器官をどのように使えばいいのかの情報を脳が持っていないからです。


“r” を出すための命令を出す能力が、日本語脳にはありません。


英語の音を、英語本来の正確な音として脳に伝え、その情報を使い、新しい脳細胞のネットワークシステムを作る。

これが「脳に英語領域を作る」という意味です。


非常に複雑な英語の音と綴りの関係についても同じことが言えます。

音を出しながら、聞きながら、書きながら、タイプしながら、その関係が新しい「脳の英語領域」に蓄積されていきます。


フォニックスのように規則を覚える必要もありません。

脳がひとりでに学習していきます。


文法も同じです。

日本語で、こ難しい説明を覚えるのではなく、脳が英語として自然に文法を感知していきます。


また、Big John Math の問題をコンピューター画面で読み取り、その情報を脳に送り、正しい答えをタイプするための指令が脳から送られるスピードが飛躍的に伸びるのもこのプログラムの効果です。


 そして最後に、Big John Math 各レッスンの最初に付属しているN-Back Test。

これは Working Memory[短期メモリー:脳に入ってきた記憶を短期的に記録し貯蔵しておくところ。 この容量が大きいと”いわゆる頭の良さ"”脳の処理能力の速さ”に結びつきます。]を訓練するプログラムです。


Working Memory は外国語のルールを覚えて使うために必須の部分です。


英語の勉強を始める前の準備として半年〜1年 Big John Math で特訓した子供たちの、その後の英語理解の正確さとスピードには目をみはるものがあります。

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上記の効果が認められるBig John Math が「英語だけに現れる学習障害」を経験している子供たちの脳にも効果があると思える理由: 


1. Working Memory を訓練することで、英語理解に必要な記憶容量を増やせる可能性。

2. 「英語だけの学習障害」の場合、脳のネットワークのどこかにブロックがかかっていることが考えられます。 「新しい領域」を作る訓練により、そのブロックを取り除くか、迂回するか、障害度が軽くなるかもしれません。

3.  脳のスピードが速くなることで、上記ブロックに対して効果があると思われます。


子供の学習の仕方は脳の微妙な違いにより、千差万別です。

コンピューターにダウンロードしたBig John Math を毎日のように使い練習することで、それぞれの脳の学び方に沿った進歩が見られるのを観察してきました。 

「英語学習だけに見られる学習障害」の子供の場合、まずは、正確に問題を読み取り、答えをタイプし、満点を取れるように何度も練習。

満点が取れるようになったら、今度は記録に挑戦。


現在のまでのBig John Math すべての単元で子供達が出した公式記録も公開していますので、それを目指すのもひとつ。

または自分で目標を決め、その記録を目指すのもひとつの方法です。


そして、ここが肝心ですが、時間のかかる練習であることをご理解ください。

少なくとも、ほぼ毎日30分から1時間程度の練習を大体1年ほど続けた後の様子を、またよく観察し、次なるステップに進むことになります。


「英語学習」に困難を感じていない子供の場合、週1回1時間〜2時間程度の訓練で、英語理解だけでなく、脳のスピードが上がることを観察しています。


しかし、何らかの困難を経験している子供さんの場合は、かなり長期の練習になることはご理解ください。


先日も、中3の男子生徒を同じような状況で受け入れたのですが、本人の根気が続かずドロップアウトしてしまいました。


Big John Math は、魔法の方法ではありません。

コラムにも書いておりますように、「英語だけに現れる学習障害」自体、専門家の中でも認識されておらず、研究もなされず、実証された方法も存在していません。


そんな状況の中、Big John Math の持つ可能性が、困っている子供の脳にも影響を与えてくれることを期待し行う方法です。


「英語だけに現れる学習障害」で困っている子供たちへの前向きな提案になれば幸いだと思っています。

子供さんには、「脳の学び方」が他の子供とはちょっと違うだけで、本人の怠けでも何でもないよと励ましてあげてください。

 

私ごとですが、現在Harvard 大学のオンラインコースで 脳科学を勉強中です。

勉強が進むごとに、人間がそれぞれ持っている独特な脳の働きに目をみはる思いでいます。

 

子供さんには、他と異なる学び方を持っているが故に、必ず他の子供より優れたところがあるはずですので、一緒に探してあげてくださいね。

(追記)

英語だけでなく、学習全般に渡る困難のある方へは、普通の学校に通うのではなく、根本的に学習障害専門の学校で特訓を受けることの効果が認められています。

カナダから始まり効果を上げている「学習障害」専門の学校をご紹介しておきます。


この学校を始めた方自身が自分の学習障害を乗り越えた経験から試行錯誤の上作った学校です。

私自身も学校を訪問、指導法を観察させてもらいました。

そこでのカリキュラムにあるコンピュータープログラムにヒントを得たと同時に、プログラム自体の目的がBig John Math の目的と酷似していることに驚いた次第です。

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(カナダ留学専門家・英語教育者)
Super World Club 代表

カナダ留学・ボランティアにいらっしゃい!

カナダ高校留学・大学留学・大学院留学・政府認証ボランティア体験のカウンセリング及びサポート。 Canada 在住。Big History Project 指導 (カナダよりオンラインにて)

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内容:英語の数字、音と文字の関係からつづりを学習。 足し算

大澤眞知子とカナダの数学専門家が共同開発したプログラムの添削版。 2011年ニューヨークタイムズ 掲載の脳科学教育プログラムです。

授業を見て宿題は自宅のPCで。 21世紀教育の主流「個々の発達度に合わせた反復練習」で、情報分析速度、正確度にも大きな効果を実証中。
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