MMFはローリスク・ローリターンだから安心?
先日、米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻したことを受け、同社の社債を運用対象にしていたMMFの一部に元本割れが発生しました。
MMFといえば、低リスクで換金性が高い投資商品として人気があり、高格付けの債券で運用され元本割れすることはほとんど考えられませんでした。
実は、日本のMMFでも過去に元本割れを起こしたことがあります。
2001年11月末、アメリカのエネルギー商社エンロンが会社更正法の適用を受け、5本のMMFが元本割れしました。
実は、エンロンの破綻をある程度予測できた運用会社もありました。しかし、実際にはエンロン社債を売却しませんでした。理由は日本の公社債投信の制度にありました。
当時の日本の公社債投信は、基準価額1万円を割ると追加設定ができませんでした。追加設定できないということは運用会社や販売会社にとって旨みはありません。ですので、運用会社としては売却して1万円を割るよりは、エンロンが立ち直るわずかな可能性にかけたのでした。
このケースを機に2002年4月以降、追加型公社債投信について約款変更により、個別元本方式での追加設定方式が可能となり、基準価額が1万円以下の場合でも追加設定が可能となりました。
この世に安全な投資などというものはないと考え、行動する時期がまた来ているように思います。
このコラムの執筆専門家
- 大黒たかのり
- (東京都 / 税理士)
- 大手町会計事務所 代表税理士
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