投資の方向性を見定めるために必要な米経済指標の見方 - お金と資産の運用全般 - 専門家プロファイル

釜口 博
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柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月25日更新

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投資の方向性を見定めるために必要な米経済指標の見方

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BYSプランニングの釜口です。

今回は、「投資の方向性を見定めるために必要な米経済指標の見方」という内容について、お伝えいたします。

日本株投資の成果を左右するのは、国内経済や政策だけではありません。

実は、アメリカの経済指標が要因で日本株が変動することが多々あります。 

アメリカの金融政策を決めているのは、米連邦準備理事会(FRB)。

投資家はFRBのイエレン議長が注目している経済指標に目配りしていくことが重要なポイントとなります。

FRBが重視しているポイントとして以下の3つが挙げられます。

1.雇用状況

2.消費者の景気に関する心理

3.設備投資(経営者の景気に関する心理)

1の雇用状況ですが、毎月発表される米雇用統計では、非農業部門の雇用者が前月比20万人以上増えると、

景気が良くなっていると判断されます。

9月は25.6万人、10月は21.4万人と大台を超えてきています。

また失業率も分かれ目とされる6%を2カ月連続で下回っています。

(9月:5.9%、10月:5.8%)

雇用統計と失業率が改善しているにも関わらず、イエレン議長が利上げを明言しないのは、雇用の質的な面を見る指標である「賃金上昇率」が伸び悩んでいるからと言われています

FRBのインフレ目標である2%という数字から考えると、賃金上昇率が3%を超えてこないと、FRBは利上げ判断をしないのではないかと、ささやかれています。

アメリカが利上げに踏み切り、日本の金融緩和政策が続くとすれば、更に「円安・ドル高」がすすむ可能性が出てきます。

2の消費者心理ですが、景気が良くなれば、消費者がお金を使うようになり、それが景気を押し上げることになります。

この消費者心理は、ミシガン大学などが算出している「消費者態度指数」で探ることができます。

9月は84.6、10月は86.9 と上昇傾向が続いています。

また、米サプライマネジメント協会(ISM)は経営者の景況感を調べ、製造業と非製造業のそれぞれを指数にしています。

このうち非製造業指数は実質経済成長率との相関性が高いと言われていますが、9月が62.9、10月が60.0。

好不況判断の分かれ目である50を超えてきています。

アメリカの消費者が景気が良くなるという判断をすれば、日本の輸出産業にも良い影響が出ることになります。

3の設備投資ですが、企業が設備投資に動き出せば、その国の経済への影響は非常に大きいものとなります。

アメリカ企業の設備投資を見る指標として、ニューヨーク連銀などが集計している「設備投資DI」があります。

この指標は、今後6カ月で設備投資額が「増加」するとする企業の比率から「減少」とするとする企業の比率を引いた値のこと。

直近では9月が23.7、10月が18.9。

設備投資を増加させる予定の会社の方が多い状況が続いています。

この指標は、設備投資という先行投資に対して、経営者の景況感判断を見てとることができます。

アメリカ企業が先行投資である設備投資に動き出せば、日本株にも良い影響を与えることになります。

個別株投資で利益を生み出すための一つの考え方として、アメリカの経済指標をしっかりチェックし、日本株との関連性を見ていくことはとても重要です。

 

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