- 中舎 重之
- 建築家
対象:住宅設計・構造
Ⅰ 基 礎 編
1:敷地と地形
我が国では、木造が占める建築物での割合は40%との事です。
木造住宅の建設がハウスメーカー(HM)に独占され、地場の工務店は、
ハウスメーカーの傘下に組み込まれているのが現状です。
更に言えば、木造住宅の設計は、お客様とHMの営業マンとの遣り取りで決まります。
最近話題になることの多い欠陥住宅の調査例によりますと、
その事例の72%が、地盤の不同沈下であり、基礎工事の不備に起因しています。
現実として、当方が構造のQ&Aの回答した96例の内、地盤に関するものが25例、
基礎に関するものが11例もあり、合計すると38%の高さになります。
2階建ての木造住宅の設計に際しては、構造計算が不用です。
従って地盤と基礎に関しては、HM・設計事務所・工務店などは地盤調査のSS試験データに頼ると云うより、
調査会社の報告書の文字を頼りにしている様です。
此処では、お客様が建築を予定している敷地の事前調査に重点をおき、
SS試験データの不足を補う事を目的としています。
建物に生じる災害の多くは、自然環境についての事前の調査で把握した事を基にして予想・防止する
ことが可能と考えます。
近来の突風と豪雨は東京に東側に起きる顕著な自然現象です。
此を建築基準法で処理するのは、明らかに間違いです。
建築基準法の規定は守るべき最低ラインを記しているに過ぎません。
雪害も同じです。 基準法では積雪30cmx単位荷重20=600kN/m2ですが、
現実には50cmx30=1500kN/m2 と規定の2.5倍の荷重なのですから、
駅のホームの上屋、基地の格納庫に被害が出ました。
塩害については、規定はありません。季節風の強い海岸では、防風林がなければ、
海水の「しぶき」が絶えず建物に吹き付けます。
ために建物の金属部分が腐食します。 電力会社では、台風通過後に海岸から2km以内の
電線の塩害被害の調査と補修を行う様です。
2km以上はOKですよ。
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