強い家造り  3 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

中舎 重之
建築家

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対象:住宅設計・構造

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強い家造り  3

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  地震対策は、敷地の地盤により安全性を考える必要があります。

地震の揺れ方は地盤の固さにより変わります。 

平野部の関東ローム層を1.0とすると、山側の固い地盤は0.7と揺れは小さく、

河川敷の軟弱地盤は1.5と大きく揺れます。

従って、軟弱地盤と判断した場合は木造住宅の耐力壁を規定の1.5倍の割り増しを行います。

ただし、自治体では軟弱地盤の指定はしていません。


 例を横浜の鶴見川にて示します。

今から5500年前、縄文海進にて鶴見川は鶴見湾と称し、東横線の綱島までがかなり広い海でした。

その後4000年前の縄文海退により水が引き現在の形になりました。

当方は、此の鶴見湾の範囲は軟弱地盤と判断していますが、行政では指定から外しています。

軟弱地盤の判定は設計者自らが行うか、お客様が疑いを持つことで、初めて効力が起きるのです。

地形には感心を持って下さい。


  ここで、駅名が地形を表している例を上げます。東京の山手線です。

渋谷、五反田、大崎、品川、田町、浜松町、神田、鶯谷、田端、巣鴨

地形を表す文字:崎、浜、洲、潟、島、岸、谷、窪、袋
水に関する文字:川、江、瀬、沢、池、沼、淀
水鳥の名前    :鶴、鴻、鴨、鷺、鵠
植物の名前    :萩、蓮、竹、蒲、芦
谷に関する名前:谷地、谷津、谷戸
崖に関する名前:宇津、押出、歩危

 地名の起源は地形によるものが多いのです。地名にも注目して下さい。

当方が地名や地形に拘るのは、地盤調査のSS試験データのみで判断する事の危険を避ける為です。

設計者もお客様も一緒になって、人間が本来、持っている五感を働かせて、

台風、洪水、地震の自然現象の危険を事前に感知して、

設計に、建築に対応していただきたいと願うからです。


  最後に小話をひとつ記します。敷地の周辺に高い樹木が生えていれば、

その土地は古くから存在して、自然災害が少ない土地として評価できます。

地下水位もかなり低いと判断できます。

高い樹木の根は高さに比例して下へ伸びて行きますので、良い敷地としてOKです。

  逆の話です。近所に竹の林があれば、地下水位が浅いと言えます。

淺い水により根が深く入れない事で、根が横に広がる竹が場所を占めています。

敷地の適性としてはNGですが、 地盤と基礎にて一工夫をして下さい。

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