国債破綻への対応 国際分散投資のすすめ - 投資相談全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2024年04月19日更新

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国債破綻への対応 国際分散投資のすすめ

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資産運用の原則 資産配分(アセットアロケーション)
前回までのコラムで、日本国債が破綻しない条件、利金が支払できない場合、償還できない場合等を説明いたしました。
夫々のストーリーのどれが発生するのかは分かりません。
読者の皆様は、どのケースが最も可能性が高いのかを、ご一考ください。

破綻が起きないと感心される方は、この後をお読みになる必要性は低いと思われます。
ただ、明日のことは誰にも分からないということも真実です。
国債が紙切れにならないとは思いますが、いずれのケースでもインフレーションが発生します。

また、政府・日銀が目標とするインフレ率は2.0%ですので、国債の破綻が無くても、インフレになることが予想されます。消費税の3%増税はすでに織り込まれましたが、この先に2%の増税が待っています。
過去のデフレ下では有効な手法であった、現預金のみの貯蓄は、物価の上昇に収入や資産の伸びが追いつけず、現在の貯蓄も実質的には目減りしてしまう恐れがあります。

投資を考える際には、ご自身の期待するリターンと、リスク許容度が重要になります。
リスクの概念は感覚的にとらえるのが難しいのですが、ゴルフのコースを例にとりますと、距離をどの程度にするのか(コツコツグリーンに近づくのか、遠くまで飛ばして、一気にグリーンオンを狙うのか)と、ゴルフボールの飛ぶコースが曲がってしまい、ラフに入ったり、OBになる危険を冒すのかに似ています。
図に示すような、飛距離(リターン)を遠方にすると、まっすぐではなくぶれてしまう(リスク)のがお分かりかと思います。

リスクとリターンゴルフに例えると

ただ、リスクは変動する率ですので、結果として良いもの(プラスに振れる)と悪いもの(マイナスに振れる)があります。それらの影響で冷や冷やする快感に酔う方は、ハイリスク・ハイリターンで、堅実な運用を目指す方はローリスク・ローリターンの運用を行うことになります。
但し、ローリスク・ハイリターンはありません。もし、初めの投資でハイリターンを得たのであれば、それは、ハイリスクの運用であったことをご認識ください。

リスクとリターン時系列

今回のテーマでは、日本国債の破綻ですので、日本だけの運用ではなく、外貨建ての運用もお考えになる必要があります。

国債の破綻可能性が高いとお考えの方は、外貨建て商品の比率を高め、可能性が低いと思われる際には、国内の株や債券への投資比率が高くなります。

ところで、投資の原則゛は、運用成績は十分に分散された資産での資産配分(=アセット アロケーション)で決まるとされています。この場合の資産とは、株や債券等金融資産を指します。

もし、政府や日銀の目標通り、インフレ率が2%であれば、これを超える期待リターンが必要です。そこで、期待リターンが2.5%、3.0%、3.5%のケースで、アセットアロケーションを組んでいます。リターンは、最適解の配分の際の変動です。それが下図です。
(小生が保有する、イボットソン・アソシエイツ・ジャパン社のFP PoPS2013バージョンを使用。当初資金1,000万円、運用期間10年間、中途積み増し・引き出しなしで設定)

140513資産配分表

期待リターンが2.5%の際には国内株式への配分は12.0%、外国株式は16%、国内債券は51.0%、外国債券は3.0%、短期金融資産(普通預金、定期預金、MRF、MMF等)18%に配分することになります。そしてリスク(標準偏差)は5.2%です。
この場合、10年経過後の資産額は1,283.7万円と試算され、単年度の運用成績の65%は、+7.7%~-2.7%の範囲に入ることを示します。1,000万円投資して、リターンは+47万円~-27万円。ただし、リスク(標準偏差)ですので、単年度の投資結果のブレを95%に広げると+129万円から-79万円の間に入ることになります。
マイナスが79万になるのは、100年に1回程度と予測されています。

それを表すのが次のグラフです。入試でよく使われる偏差値のグラフと同様です。グラフの出所はイボットソン・アソシエイツ・ジャパン社のAAライブラリーです。

標準偏差グラフ

このように、国債破綻に備えて各資産に分散を図ることで、リスクが低減されます。
同じように、期待リターン3.0%では、最適解のリスク(標準偏差)は6.2%、期待リターン3.5%の場合には、最適解のリスク(標準偏差)は7.3%になります。
夫々の単年度の成果は、最悪ケースの場合期待リターン3.0%で損失92万円、期待リターン3.5%のケースは、損失111万円と試算できます。
期待リターンを4.0%に上げますと最悪ケースとの損失は-128万円です、

このように、ご自身のリスク許容度に合わせた、期待リターンの設定をお勧めします。
の範囲です。
このように、国債の破綻だけでなく、様々なケースで、リスク許容度に合わせた期待リターンと資産配分(アセット・アロケーション)が必要になり、これが、対処法の王道です。

参考までに、我々の年金を運用しているGPIFの基本ポートフォリオの資産配分を下に掲載します。ご自身のお考えになる、資産配分とお比べください。

!40111GPIFのポートフォリオ



FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨

ファイナンシャル・プランニング+投資助言で人生設計から資産形成まで一貫してサポート
保険や投資信託を販売しないファイナンシャル・プランニングの専門家。
あなたのセカンドライフ・プランに適した期待リターンとリスク許容度で資産配分とポートフォリオ構築をあなたに適した口座開設から銘柄選定までサポートします。

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー

『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
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