イタリアン嫌いの坂本孝さんが作った「俺のイタリアン」の謎 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月23日更新

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イタリアン嫌いの坂本孝さんが作った「俺のイタリアン」の謎

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 よく起業の世界では、自分のビジネスが嫌いな人は絶対成功しないといわれます。今、飲食業界で最も注目を集めている「俺のイタリアン」を創業した坂本孝さんは、元々イタリア料理もフランス料理も好きではなく、もっぱら日本料理ばかりを愛好している人。その人が何故イタリアンやフランス料理で成功しているのか。

 中古本販売のブックオフを創業した坂本さんは、ブックオフから引退後の浪人時代、たまたま知人から声を掛けられ飲食業に足を踏み入れます。焼鳥店の経営を引き受けないかと誘われたことがきっかけです。軽い気持ちで焼鳥店を引き受けたのですが、当初はほとんど上手くいかなかったようです。中古本から焼鳥店ですから、ビジネスの畑がまったく違います。

 後悔する日が続いたようですが、仕方ないので立て直しのため、様々な飲食店の食べ歩きをはじめます。そんな中で坂本さんの気付きは、都心でお客さんのよく集まる繁盛店は、ミシュランの星を獲得している格式の高い店か、繁華街の立ち飲み店でした。坂本さんは、この2つを組み合わせることを考えた結果が、「俺のイタリアン」でした。

 立って食べる方式の格調高いイタリアン料理店で最も高いハードルは、ミシュラン店クラスのシェフを集めること。最初は、お金をばら撒いて人材派遣会社を通してシェフ集めをしたそうです。人材派遣は、手数料欲しさにどんどんヨーロッパ帰りのシェフを紹介します。何人も面接を続けた中から、シェフの採用を決めます。

 高級レストランで、お客さんもそこそこ入っているのに、廃業するお店はけっこうあります。その原因は、有名シェフが食材や店内の装飾など、収支計算を度外した経営を行うからです。そのため、欧米の高級レストランでは、経営者とシェフとの2頭立ての経営をしています。常に、収支バランスを合わせるための経営の知恵です。

 「俺のイタリアン」でも、坂本さんが店の経営を行い、シェフが調理全般の責任をもつ体制です。イタリアン嫌いの坂本さんが、口出しする必要はありません。坂本さん自身は、ビジネスの多店舗展開が得意の経営者です。そのため、イタリアン、フレンチだけでなく、寿司や日本料理の店舗も出店を計画しています。

 自分の苦手な業種のビジネスでも、パートナーと組むことによって起業は可能です。最近は、暗い話ばかりが多い飲食業界ですが、坂本さんの成功はこの業界にとっては希望です。今後、調理人の教育や海外への進出などの計画が進んでいます。新たな飲食店スタイルで、頑張ってもらいたいものです。

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