「ああ~私、計算が苦手なんですよね~大きな表に数字がドバッと書いてあると、見た瞬間にめまいがするんですよね~ふう~」
ある店長が、悲しそうな顔で私に訴えました。「ん?だからどうした!苦手ならば、しっかり勉強して数字が読めるようになれよ!」と・・・昔の私ならばそう思って、こう言う甘えたことを言う店長をビシビシしごいておりました。
しかし、一生懸命説明して、何とか理解出来る様にしようとがんばっても、彼女たちは一向に理解してくれませんでした。と言うか、どうも最初から理解しようなどとは思ってないフシが感じられたのです。数字について話をしたり、分析や計算をさせたりすると、取り組む前から拒絶反応が出るのです。
とは言え、いくら店長が拒絶反応を示しても、問題点についてはキチンと理解してもらわねばなりません。この店長の店は、決して業績が悪いわけではありません。でも、他の店に比べて、少し客単価が低かったのです。私と店長は、その原因を分析して対策を講じなければなりませんでした。
しかし、彼女の弱みや不得意分野に対して、無理矢理にその克服を求めても、拒絶反応を無くさなければ改善は出来ません。彼女は、数字を細かく見て考えるのが面倒だと感じているようでした。でも、イラストや写真のように視覚的にパッと見てわかるものならば、積極的な反応を示していたのです。そこで私は、彼女に問題点の説明をするときのデータをグラフ化したのです。グラフにすると、その差や大きさは視覚的にわかります。
私は、グラフを使って、自店舗の客単価の推移、他店舗との比較、客単価の中身~つまり商品構成の割合、そして同じデータを他店舗と比較しました・・・また、ただグラフを見せるのではなく、段階を追って、順に説明をして行きました。彼女の反応は、期待通りでした。彼女は、自店舗の問題点を瞬時に理解しし、すぐに対策を提案してきました。
やる気が無いわけでは無い、むしろやる気はある。でも、苦手意識があってわざとそこを避けている。その結果、実力はあるのにそれを活かせない、そう言う店長って結構いるものなのです。そう言う店長に無理矢理に苦手を克服させようとしても、なかなか変化は起きません。主体的で無い限り成長はしないのです。
ならば、上司がそれをカバーすることが一番手っ取り早い解決法なのです。視点を変えると言うことですね。この時のこの方法は更に大きな効果を生み出しました。実はこの店、店長だけで無く、スタッフリーダーである主婦パートさんも「私は数字は苦手」を公言していました。店長自身も同じタイプでしたから、この店の店舗ミーティングで、問題点の改善の話を数字で説明してもなかなか前に進みませんでした。ところが、店長にグラフで説明して理解が進んだとたん、店長自身が同じグラフを使って主婦パートリーダーさんに同じ説明をしたのです。
面白いことに、この主婦パートさんの反応も店長と同じでした。「なあ~るほど~」という感じで一気に理解が進み、その後すぐに客単価はエリア内で一番高い店舗になりました。苦手を無理矢理克服させようとするよりも、得意なところで同じ目的を果たすようにすれば良いんだなと実感した経験でした。
ひとの「強み」や「弱み」は、そのひとの固定概念と表裏一体です。数字が嫌いでもグラフにすると一気に理解が進むというのも、少しだけ視点をずらせば良い、と言うことを本人が気づいていないだけなのです。
さあて、あなたは何が苦手ですか?
それって、他のものに置き換えられませんか?
「行動」そのものよりも、「目的」に視点を向けると、「行動」は変えられるかも知れませんよ~
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ
■松下雅憲が紹介されたページはこちら