- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
対象:人材育成
「私は、やれば出来る子なんです。」
「僕は、ほめられて育つタイプなんです。」
よく聴く言葉ですね。私もずっと自分のことをそう思ってきましたし、今もそう思っています。
さて、では、あなたはどうでしょうか?「やれば出来る子」ですか?「ほめられて育つ子ですか?」
そして、あなたの部下やパート・アルバイトスタッフはどうでしょうか?また、彼ら自身は自分をどの様に思っているのでしょうか?
もちろん、今すでにバリバリ仕事をして、「やれているひと」ならばそれはそれで良いでしょう。
また、ことさらにほめなくても、どんどん自分のモチベーションを上げて、成長しているのならばもうそれで良いのです。
しかし、そうではないスタッフに対してあなたは、どの様に考えていますか?
「困った奴だな。いつになったら本気出すんだ?」
「本当にほめたらどんどん伸びるのか?」
もしかしたらそんな風に思っているかも知れませんね。
でも、そう考える前に、一度彼らに、自分では自分をどう思っているのかを聴いてみれば如何でしょうか。
「やれば出来ると思ってますか?」
「ほめられると、どんどんやる気が出て成長するタイプですか?」
そう聴けば良いのです。
そして、彼らが「そうです。」と言うのならば、次にこのように聴いてみて下さい。
「じゃあ、何があったら行動できるかな?」
「今、あなたの行動を止めている障害物は何なんだろうか?」
このように、少しずつ彼らの本心に向かって、あなたの気持ちを寄せていって欲しいのです。
決して、このように言ってはいけません。
「やったら出来るというのなら、さっさとやれよ。」
「ほめられるようなことをしてから、ほめて欲しいと言えよ。」
これを言った瞬間に彼らのやる気は、完全消滅してしまいます。
ひとは誰でも心の底では「やりたい」「やってみたい」「出来たら良いな」と思っています。
言葉や態度でどう言っていても本心は、「やりたい」のです。しかし、何かが自分を羽交い締めにして動けないのです。あなたの仕事は、彼らを羽交い締めにしているその何か・・・例えば「呪縛」「障害」「魔物」「恐怖」「不安」など・・・それらをやっつける手伝いをすることなのです。決して彼らを追い詰めるのが仕事ではありません。
その手助け方法はただひとつ。彼らに、小さな成功を経験させて、「あれ?やれるかも」と言う「その気」を引っ張り出すしかないのです。この「その気」を引っ張り出せば、もう後は簡単です。ほんの小さな成功で良いのです。
ところが、多くの上司はこの小さな成功体験をさせずに、大きな目標にチャレンジさせようとします。しかし、彼らには「動けない事情がある」のですからそんな目標が上手く行くはずが無いのです。そして、その結果、自信を喪失してしまうのです。
繰り返します。彼らの心の中には、「やりたい」「やってみたい」「出来たら良いな」と言う気持ちがあります。必ずあるのです。あなたが、それ信じない限り、彼らを成長させていくことは出来ません。
完全に出来てから認めるのではありません。
完全に出来てからほめるのでもありません。
ほんの一部でも出来れば認めてほめてみましょう。
そうすれば、彼らは本物の「やれば出来る子」「ほめられて育つ子」になります。
あなたが先に動いて上げて下さいね。
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