日産自動車会長 カルロス・ゴーンさんへの風当たりが強くなっています。1999年、経営危機に陥った日産自動車救済のため、仏・ルノーから日本に派遣されて、日本企業に経営力の必要性を見せてくれた人です。デザインが商品力を、格段に引き上げることを教えてくれたのもゴーンさんです。
年収10億円と世界レベルの経営者 ゴーンさんですが、わが国の自動車各社が大幅に業績を伸ばしている中で、1社だけ苦戦していることで批判されることが多くなりました。経営者は、会社が順調の時には拍手をもって迎えられますが、業績が悪くなると株主や従業員から厳しい視線を向けられます。
一方、多額の年収を得ながら、防犯設備を完備していなかったために、10人の死者を出したのが福岡市の安部整形外科病院院長です。厚労省の調べでは、病院院長の平均年収は約3000万円といわれます。ゴーンさんの場合、会社の業績によって年収は上下しますし、約2万4千人の組織のトップです。
病院院長は、看護師、理学療養士など30人程度の組織のトップで、しかも年収は国の医療費によって、ほぼ保証されているとも言えます。今回、病院の防火扉は建設されたときのままで、費用2000万円といわれるスプリンクラーも設置されていません。多分、経営が厳しいという理由によってです。
この病院で焼死した患者さんにしますと、病院側の人災によって殺されたようなものです。わが国において、医師は特別扱いされていて、ゴーンさんの場合は経営不振の時には厳しい目が向けられるのに、医師の収入に対して日本社会の目は甘すぎるようです。医師の収入は別物と考えられているのでしょうか。
病院も医療法人という名の企業ですから、患者さん第一に考えるなら、医師の収入を減額して防火設備を取り付けるのが経営者の倫理です。医療の世界では、病院に防火設備を取り付けるなら、国が補助金を出すのが常識のようです。わが国の医療費がどんどん膨らむのも当たり前で、財政破綻で医療費の大幅圧縮を避けたいのなら、医師の年収を保護するような政策は止めるべきです。
【一言】
起業家の年収といいますとほとんどの人が、初年度は会社勤めをしていた時の6割とか、7割を確保するのがやっとです。この状態が、2、3年は覚悟したほうがよいです。その後は、起業家の取り組み方次第です。頭を使って利益を上げると、上げるだけ収入も増えるのが起業の世界。また、50代を過ぎて会社の給与が下がる時期も、起業の場合は頑張り次第で下げなくて60、70代も働けることが長所です。
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