誰も責任を取らない日本社会ではツケが溜まる一方 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年12月06日更新

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誰も責任を取らない日本社会ではツケが溜まる一方

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 東日本大震災の発生時、送迎バスに乗っていて亡くなった幼稚園児たちの賠償責任で、仙台地裁は幼稚園経営者に対し4人の園児の遺族に1億7700万円の賠償を命じました。大震災での被害者が訴えた民事裁判では、最も早い判決です。今後、続々と大震災関連の判決が出てきます。

 一方、福島第一原発事故を巡る刑事責任を政府と東電に問う裁判では、当時の菅首相や東電経営者など42人全員が不起訴となりました。福島原発事故では、県内に10万人以上、県外へは6万人以上の人が避難を強いられています。当然、事故現場での死者6人、避難中の死者数百人など被害も大規模です。

 個人や小さな会社に責任を問うことはあっても、わが国には組織や権力者に責任を問うことがありません。バブル経済を発生させたり、冤罪事件を起こしたり、日本人310万人も殺された先の戦争でさえ、戦勝国が起こした東京裁判だけで、国民が戦争遂行者の責任を問うことはしていません。

 日本で起業する人が少ない背景には、モノゴトの責任を権力者ほど取ることをしない風土があります。ビジネスの責任がはっきりする起業に対して、必要以上に恐れる気持ちが国民に強くなっています。政治家や官僚は、金儲けが起業家の目的として、軽く見ようとする風潮もあります。

 企業経営者は、会社運営を誤って倒産するようなことがありますと、責任をとって借金を被ることになります。これははっきりしています。そのため、会社組織では責任の所在を判りやすくした組織がよい組織です。反対に官僚組織は、2、3年ごとに役職の入れ替えを行い、責任をぼかす組織を作っています。

 権力者や官僚が責任を取らない体制のわが国では、結局そのツケを国民が払わされることになります。1000兆円以上の国の借金も、今後国民が受けるべきサービスを削り、支払う税金を増やして払います。ただ、起業家にとって、責任がはっきりしている社会は決して悪い社会ではありません。

【一言】
 わが国では何故官僚が責任を取らないのか、その理由は先の戦争処理にあると言われています。戦後、米国など戦勝国は、軍人と政治家、財閥企業経営者などの責任を問いました。しかし、官僚については、戦後の国家運営に欠かすことができないところから、責任を問うことはしませんでした。米国に奇襲攻撃しながら宣戦布告を忘れた外務官僚さえ、その後責任は問われないとも。教科書から責任の文字を消すべきです。

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