不当労働行為審査手続の労働委員会での手続の概要 - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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東京都
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村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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不当労働行為審査手続の労働委員会での手続の概要

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不当労働行為審査手続の労働委員会での手続の概要

 

・審査手続前の答弁

労働委員会の審査手続を開始する前に、労働組合法にいう正当な労働組合の要件(労働組合法2条、5条)を満たしているかを争うことが考えられる。

   

・不当労働行為事件の審査手続

申立ての1年以内(労働組合法27条2項)の不当労働行為(労働組合法7条)事件について、労働者・労働組合から申立てを受けて、都道府県の地方労働委員会が審問手続をする(労働組合法27条)。

労働委員会は、審問手続の開始前に、審査の計画を立てなければならない(労働組合法27条の6)。

審査手続は、以下の流れで行われる(労働組合法27条の6第2項)。

調査を行う手続(裁判所での弁論期日に相当する)

争点整理

審問手続

証拠調べ、証人・当事者の尋問を行う審問手続(裁判所での証人尋問期日に相当する)

救済命令等を発する期日

これらと並行して和解を試みる期日

なお、当事者が意見などを陳述したり、証拠の書類・物件を提出するのは、証拠調べ期日以前においても行われる。証人尋問は、証拠調べ手続においてしかできない。

労働委員会は証人・当事者などに対して陳述を求め、帳簿などの証拠物件・報告などの提出を命令し、強制的に出頭命令・立ち入り検査などができる(労働組合法22条)。

審問手続においては、

・当事者は証拠を提出し(労働組合法27条1項)、

・労働委員会から物件提出命令が発せられたり(労働組合法27条の7第1項2号、同条2項~8項)、

審問手続のうち証拠調べ手続においては、

・証人や当事者の尋問と反対尋問が行われる(労働組合法27条の7第1項1号、27条第1項、27条の8)。

審問手続を遂げた後、労働委員会が書面をもって、申立人の請求を全部または一部を認め、あるいは棄却する救済命令等を発する(労働組合法27条の11)。

審査手続・再審査手続中に、労働委員会は和解を試みることができる(労働組合法27条の14第1項)。当事者間で和解することができるが、労働委員会が労使間の正常な労働関係を確立させるものと認めるものでなければならない(労働組合法27条の14第2項3項)。和解が成立した場合、金銭などの給付の条項が含まれている場合、和解調書を作成し、和解調書は強制執行できる効力を有する(労働委員会27条の14第4項5項)。

救済命令等に対して不服がある当事者は、救済命令等の交付を受けた日の15日以内に、中央労働委員会(東京都の1か所のみ)に再審査請求をすることができる(労働組合法27条の15)。なお、上記15日には、救済命令等の交付を受けた当日を含むので、翌日から起算すると14日間であり、裁判所での控訴期間と同じである。

中央労働委員会での再審査手続は、地方労働委員会と同様である(労働組合法27条の17)。

中央労働委員会の命令が出た場合、不服がある当事者は、救済命令等の交付を受けた日から30日以内に、行政訴訟である救済命令等取消訴訟を提起することができる。不服申立の期間および初日が算入される点が一般の行政事件訴訟法と異なることに注意を要する。

救済命令等取消訴訟の第1審は、地方裁判所(本庁)である。

使用者が救済命令等取消訴訟を提起した場合、労働委員会は緊急命令を申し立てて、使用者に暫定的に救済命令等にしたがうべき旨の命令を裁判所に発してもらうことができる。

地方労働委員会または中央労働委員会の救済命令等について、不服を期間内に申立てなかった場合、救済命令等は確定する(労働組合法27条の13第1項、27条の17)。

 使用者が労働組合法第27条の13第1項(第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により確定した救済命令等に違反した場合は、50万円(当該命令が作為を命ずるものであるときは、その命令の日の翌日から起算して不履行の日数が5日を超える場合にはその超える日数一日につき10万円の割合で算定した金額を加えた金額)以下の過料に処する(労働組合法32条後段)。

救済命令の取消訴訟が提起され、救済命令等の全部又は一部が確定判決によって支持された場合に、救済命令等の違反に対する罰則は、1年以下の禁錮もしくは100万円以下の罰金(労働組合法第28条)である。

使用者が救済命令等取消訴訟を提起した場合が労働組合法28条であり、提起しなかった場合が労働組合法32条後段である。

 

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