一方、会社経営をしている経営者心理では、お客さんの駆け込み需要は、会社に利益をもたらしますか大事です。しかし、経営者自身が増税前に高額品を購入するかと言いますと、まったく考えていない人がほとんどです。駆け込み需要の後には、売れ行き不振に陥ることを知っているからです。
これまでわが国では、2度の消費税増税が行われました。1度目は1989年4月の竹下内閣のとき、わが国初の消費税3%が初めて導入です。この年末の株価3万8957円は、二度と破られない最高値といわれています。翌90年からバブルが弾け、駆け込みで購入した住宅価格などほぼ半値と言われました。
2度目は1997年4月の橋本内閣のときで、2%の増税をして現在の5%になりました。このときも駆け込み需要がありましたが、98年には金融危機が起こり、再度住宅や不動産は下落しました。駆け込み需要の後には、供給過剰によって、価格引下げが起こるサイクルが2度発生しています。
別に3度目の正直と言う気はありませんが、会社経営を目指す起業家のみなさんには冷静な目を持ってもらいたいと思います。過度に需要を膨らませますと、その後には供給過剰が待っています。現在、住宅は引渡しの関係で、9月までに契約を済ませていないと、5%の消費税で取引できません。
そのほかの、自動車、結婚式、宝飾品など高額品は、増税が実施されると高くなります。どうせ買うなら、増税前に買うのが人情かも知れません。ただ、起業家ならば、冷静に消費者の目と経営者の目とを意識して、消費者心理とその後の価格のメカニズムを学習するつもりでウオッチングが必要です。
【一言】
日本人には横並び意識が強いですから、他の人が消費税増税対策で高額品を買うなら、わたしも買わなくてはと思いがちです。起業を目指す人には、最も避けなければいけない意識です。株式投資の世界の格言に、「人の行く裏に道あり花の山」が有名ですが、人と同じコトをしていては大きな利益を得ることができませんし、自分のオリジナルな考えを生むキッカケもできません。オリジナルな考えを育てる起業相談です。
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