- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
家を建てる前に、これから建てる家に何年くらい住むのか、どの位存続させるかを考えましょう。
「これから家を建てるのに、なぜ家を壊す時の事まで考えなければいけないの、縁起でもない」と言われそうです。
では、長持ち(50年程度以上)住宅がいいですか、それほど長くもたなくてもいいですか、と聞かれたら、何と答えますか。
「長持ちする方がいいに決まっているだろう!」と怒られるかもしれません。
でも本当にそうでしょうか。
あるハウスメーカー調べでは、20〜30年後には不便になっているので、きっと建て直す、高い長寿命住宅より安い方がいい、という人が結構多いそうです。少なくとも今までは。
さて、日本の住宅は、どの位で建て替えられているでしょうか。
日本 26年これは、平成8年版建設白書に掲載された各国の住宅平均寿命データで、よく使われているデータです。
アメリカ 44年
イギリス 75年
ここでいう、「平均寿命」は、「過去5年間(調査当時の)に除却されたものの存在期間平均値」と定義しています。
印象としては、イギリスの住宅の平均寿命はもっと長く、日本ともっと差があるような気がします。
「除却されたもの」をカウントしたデータですから、ずーっと壊されない家は、カウントされないわけで、そのせいかもしれません。
現に、イギリス:141年、アメリカ:103年、日本:30年というデータもあります。
いずれにしても、日本の住宅の平均寿命が、世界の主要先進国の中で、破格に短いことは間違いありません。
なぜ、日本の家はこんなに寿命が短いのでしょう?
これからも、こんなに寿命の短い家を、建て続けていいの?!
<続く>