- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
ヨーロッパの石やレンガの家より、寿命が短いのでしょうか。
日本で古い木造建築といえば、仏閣、つまり寺です。
日本には、法隆寺を始めとして、東大寺、薬師寺等、1000年級の現存する寺がいくつかあります。
法隆寺は、世界最古の木造建築物(約1400年前の建立)とされています。
法隆寺に使われている木材は、ヒノキです。
昭和大修理のとき、の柱にかんなをかけると、新材のヒノキの香りが漂ったそうです。今でも生き続けているのですね。
研究によると、ヒノキ材は樹木を伐採して木材として使用し始めてから、200年くらいは強度が上昇し続け、その後少しずつ下がり、約1000年で新材の強度に戻るということです。すごいことです!
一方、木材には弱点もあります。
そのひとつが、木材の大敵、白アリです。
白アリの被害に遭うと、表面は一見健全に見えるのですが、内部はボロボロになってしまいます。
白アリは、湿気が多く風通しの悪い所を好みます。
もう一つが腐食です。
腐食すると、ブヨブヨになり、強度がなくなってしまいます。
腐食は、腐食菌によって起こりますが、白アリと同じように、湿気が多いと発生しやすく、塗れ乾きを繰り返すと、腐りやすくなります。
木造では、これら弱点の対策が必要です。