企業倒産と労働法、労働債権 - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:労働問題・仕事の法律

村田 英幸
(弁護士)
田中 圭吾
(行政書士)

閲覧数順 2016年12月08日更新

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企業倒産と労働法、労働債権

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債務整理

企業倒産と労働法

(一般の先取特権)
 雇用関係によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する(民法306条2号)。
 雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する(民法308条)
なお、以前は会社に関する給料等債権について、民法と会社とで先取特権の範囲が異なっていたが、改正により、相違はなくなった。

 

○破産法
破産管財人が雇用している労働者の給料は財団債権である(破産法148条1項2号、4号)。
破産手続開始前の給料等債権は、開始前3か月分についてのみ財団債権者となり(破産法149条)、それ以外は優先的破産債権である(破産法98条)。

(財団債権となる請求権)
第148条1項  次に掲げる請求権は、財団債権とする。
二  破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権
四  破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権

(使用人の給料等)
第149条  破産手続開始前3月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。
2  破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前3月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前3月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前3月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。

(財団債権の取扱い)
第151条  財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。
(破産財団不足の場合の弁済方法等)
第152条  破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。
2  前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第148条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。

(優先的破産債権)
第98条  破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。
2  前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法 、商法 その他の法律の定めるところによる。
3  優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。


○民事再生法
再生債務者等が雇用している労働者の給料は共益債権である(民事再生法119条2号、4号)。
民事再生手続開始前の給料等債権は、一般優先債権である(民事再生法122条)。

(共益債権となる請求権)
第119条  次に掲げる請求権は、共益債権とする。
二  再生手続開始後の再生債務者の業務、生活並びに財産の管理及び処分に関する費用の請求権
三  再生計画の遂行に関する費用の請求権(再生手続終了後に生じたものを除く。)

(共益債権の取扱い)
第121条  共益債権は、再生手続によらないで、随時弁済する。
2  共益債権は、再生債権に先立って、弁済する。

(一般優先債権)
第122条  一般の先取特権その他一般の優先権がある債権(共益債権であるものを除く。)は、一般優先債権とする。
2  一般優先債権は、再生手続によらないで、随時弁済する。
3  優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、再生手続開始の時からさかのぼって計算する。
4  前条第三項から第六項までの規定は、一般優先債権に基づく強制執行若しくは仮差押え又は一般優先債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行について

(営業等の譲渡)
 再生手続開始後において、再生債務者等が再生債務者の営業又は事業の全部又は重要な一部の譲渡をするには、裁判所の許可を得なければならない。  裁判所は、この許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない(民事再生法42条3項)。


再生債務者の労働組合等の意見聴取
 裁判所は、再生計画案について、労働組合等の意見を聴かなければならない。修正があった場合における修正後の再生計画案についても、同様とする(民事再生法168条)。
    
○会社更生法
更生管財人が雇用している労働者の給料は財団債権である(破産法148条1項2号、4号)。
更生手続開始前の給料等債権は、開始前6か月分または退職金の1/3のいずれかについてのみ共益債権となり(会社更生法130条)、それ以外は優先的更生債権である(会社更生法138条1項2号)。

(共益債権となる請求権)
第127条  次に掲げる請求権は、共益債権とする。
二  更生手続開始後の更生会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分に関する費用の請求権
四  第八十一条第一項(第三十四条第一項、第三十八条、第八十一条第五項及び前条において準用する場合を含む。)、第百十七条第四項(同条第六項及び第七項において準用する場合を含む。)、第百二十三条第五項、第百二十四条第一項及び第百六十二条の規定により支払うべき費用、報酬及び報償金の請求権
五  更生会社の業務及び財産に関し管財人又は更生会社(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復した場合に限る。)が権限に基づいてした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権

(使用人の給料等)
第130条  株式会社について更生手続開始の決定があった場合において、更生手続開始前6月間の当該株式会社の使用人の給料の請求権及び更生手続開始前の原因に基づいて生じた当該株式会社の使用人の身元保証金の返還請求権は、共益債権とする。
2  前項に規定する場合において、更生計画認可の決定前に退職した当該株式会社の使用人の退職手当の請求権は、退職前6月間の給料の総額に相当する額又はその退職手当の額の3分の1に相当する額のいずれか多い額を共益債権とする。
3  前項の退職手当の請求権で定期金債権であるものは、同項の規定にかかわらず、各期における定期金につき、その額の3分の1に相当する額を共益債権とする。
4  前二項の規定は、第127条の規定により共益債権とされる退職手当の請求権については、適用しない。
5  第一項に規定する場合において、更生手続開始前の原因に基づいて生じた当該株式会社の使用人の預り金の返還請求権は、更生手続開始前6月間の給料の総額に相当する額又はその預り金の額の3分の1に相当する額のいずれか多い額を共益債権とする。

事業譲渡に関する労働組合の意見聴取
 裁判所は、事業譲渡の許可をする場合には、労働組合等(更生会社の使用人の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、更生会社の使用人の過半数で組織する労働組合がないときは更生会社の使用人の過半数を代表する者をいう。) の意見を聴かなければならない(会社更生46条3項3号)。

更生会社の労働組合等の意見聴取
 裁判所は、更生計画案について、第46条第3項第3号に規定する労働組合等の意見を聴かなければならない。修正があった場合における修正後の更生計画案についても、同様とする(会社更生法188条)。

○特別清算
会社法
給料等債権は、一般優先債権である。
(債務の弁済の制限)
第537条  特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。
2  前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。

(担保権を有する債権者等の出席等)
第559条  債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。
二  一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者
    

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